圧倒的に「なんかしてくれそう」感が足りない

見事に件のフランスでのテロ事件と被ったせいで更に地味な扱いとなってしまった、というのも同情すべき大きな理由ではあるのは間違いないので不運なお話ではあるんですけど。


岡田氏と細野氏、支持ほぼ並ぶ…民主代表選 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
そういえば、なんかサプライズがない限り岡田さんが勝ちそうな民主党代表選挙であります。来週には代表戦だそうで。まぁ皮肉なお話ではありますけど、特に米国共和党で言われているような構図――党内予備選で勝とうとする候補は逆に民主党候補との本戦で勝てなくなる――に近いものがあって愉快なお話かなぁと。それこそ旧来のやり方では勝てないことが解っているのに、しかしそうしなければまず党代表にもなれない。
党内予備選のダメさ加減が中間層の失望を呼ぶ構図。

 読売新聞社の全国世論調査で、民主党代表選(18日投開票)について聞いたところ、次の代表にふさわしい人は、岡田克也代表代行が32%、細野豪志元幹事長が30%となり、両氏がほぼ並んだ。長妻昭厚生労働相は16%だった。

 ただ、民主支持層に限ると、岡田氏が45%で、細野氏の31%、長妻氏の19%をリードしている。

 自民党に対抗するため、多くの野党が一つの政党に「まとまった方がよい」と思う人は52%で、前回調査(昨年12月24〜25日)から4ポイント低下。「そうは思わない」は40%で4ポイント上昇した。

岡田氏と細野氏、支持ほぼ並ぶ…民主代表選 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

まぁなんというか、民主党復活のある種のチャンスではあったので少しは期待――きちんと野党が居ないとマジヤバイよ派なので――していたんですが、
>時事ドットコム:岡田氏「きちんと消費再増税を」=民主代表3候補インタビュー
中身見る限り結構ダメそうだなぁと。特に一番無党派を騙せそうと見られていた細野さんとか。


そもそも論として、今でも現政権の各種政策に不満がある人が一杯いらっしゃるように、別に自民党の政策そのものが特別にウケているから今のような議会勢力になっているのではないわけで。同時にまた民主党の掲げてきた政策が徹底的にダメだから前回選挙で彼らがああして大敗北したわけでもない。
問題は実行力への信認であり、逆に言えば欠如なんですよ。
つまり、上記読売調査では尚も賛成多数な『野党再編』ってそれ自体の是非が問われているわけじゃないと思うんですよね。大事なのは、それを実現できるだけの実行力の有無こそが問題なんですよ。それができるならば結果として政権与党になった際の政治運営にも(根拠のなくても)期待が生まれる。
その意味で、皮肉なことに安倍さんへの批判としてよく言われる「独裁」「暴走」という言葉は、逆に彼の改革への期待と表裏一体にもなっているんですよね。だから実はアンチな人たちが一生懸命に言えば言うほど、無党派な人たちにとってかなり逆効果となっている面も大きいよなぁと。だってそれってつまり経済問題をはじめとする『変革』を実現できるだけの政治的資源の証明でもあるから。
少なくとも現状においては党内の反対派を上手く抑え込んでいるからこそ、それが「何かやってくれる」ことへの期待と現状容認の世論に繋がっている。


ところが民主党は、まぁ見事にそんな安倍自民党とは対照的な――政権交代以来抱え続ける――見方を覆せそうにない。ただ国会において政策論争なんかをするよりもずっと有権者に対して「実行力」のアピールの場であったはずなのにね。
彼らは「良く」変えてくれるどころか「悪くも」変えてくれそうにない。まぁそれはそれで逆に安堵されている人も少なくはないのでしょうけど。ただ、やっぱりその構図は確実に自民党までも巻き込んでの日本政治にポジティブな影響を与えることはまずないよねぇと。


がんばれ民主党。あるいはそれに代わるなんとか党。