どちらが勝っても不毛な投票

むしろ小さな社会だとこの後が大変そう。時代が時代なら粛清ですよね。


自衛隊配備「賛成」多数 沖縄・与那国の住民投票:朝日新聞デジタル
与那国島、陸自配備に賛成多数 住民投票、政府方針を追認 - 47NEWS(よんななニュース)
<社説>与那国住民投票 複雑な民意を踏まえよ - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
そういえば住民投票の結果が出てたそうで。うーん、まぁ、個人的には結局どちらが勝っても禍根しか残さない不毛な投票だよなぁと思います。結果なんて上記琉球新報さんがやっているように、どうとでも読めてしまうわけで。同じ数字を見ての、「こんなにも賛成が!」とか「これしか賛成が!」とか。それにこうした小さな社会での『世論』なんて移ろいやすいものなわけで、今回は一方が勝ったとしても次もこうなるとは限らない。それは賛成派にしろ反対派にしろ似たようなモノなわけですよ。
それこそ沖縄の米軍基地移転なんて典型例ですよね。今回は反対派が勝っていますけども、反対派が常に優勢だったわけでもなく、前回なんか容認派が選挙で勝っていたりしたし。ババ抜きやってるんじゃないんだから。お互いに「勝つまでやる」とやっていてはそれこそ永遠に続けていくしかなくなってしまう。
かくしてその場その場の『民意』を背景に何も進まないっていうね。いや、これはこれで現状維持を望む反対派には好都合ではあるんでしょうけど。
もちろん住民意思を問うことは現代民主主義社会において大切な事だとは思いますけども、だからといってそれで全て解決できるわけでもありませんよね。そこで自衛隊や軍の役割についての議論ではなく、特に観念論なんかに傾斜――自衛隊や米「軍」の存在についての抽象化された好悪による対立軸――してしまうと、それはまぁ不毛なことにしかならない。
こうした投票はそれを煽るデメリットの方が大きいように思えます。投票そのものというよりは、そのような二元論に持ち込もうとする人が少なくないという意味で。


まぁその意味では、今回の自衛隊基地の是非、という点でその存在意義=メリットとデメリットが抽象論に陥らずに比較的理解しやすい文脈にあったことが賛成多数になった理由でもあるのでしょう。逆説的に、これが『米軍』となると簡単にはいかないのだろうなぁとごくごく自然に理解できてしまう。だからこその、沖縄の米軍基地問題の混迷でもあるのでしょうけど。


みなさんはいかがお考えでしょうか?