立ち上がれ 命の炎燃やせ

とかネタにすると年齢的にシャレになってない。


ヒラリー・クリントン氏、アメリカ大統領選挙に立候補表明「私はチャンピオンになりたい」 | ハフポスト
そういえばついにヒラリーさんが立ち上がったそうで。これで可能性の高そうな弟ブッシュとの対決になったらまぁ色々言われそうな対決ですよねぇ。ブッシュ王朝対クリントン王朝。皮肉で面白いのは、そう言いつつも実はどちらの政治的ポジションも党の多数派だとは決して言えない点だったりするんですけど。ぶっちゃけどちらも党内ではかなりの穏健派。

動画の中でヒラリー氏は次のように述べた。

「私は大統領に立候補します。我が国は困難な経済の停滞から回復しようとしています。しかし不況は依然として続いており、富裕層に有利な状況になっています。一般のアメリカ人は常にチャンピオン(擁護者)を必要としています。私はチャンピオンになりたい。そうすれば今の暮らしよりももっと良くなるでしょう。前に進み、守ることができます。なぜなら、家族が強くなれば、アメリカは強くなるからです」

「私はみなさんの票を獲得するために出発します。次はあなたの番です。そして、この旅に一緒に加わってくれることを願います」

ヒラリー・クリントン氏、アメリカ大統領選挙に立候補表明「私はチャンピオンになりたい」 | ハフポスト

ただこの立候補表明の動画のコメントはかなり時代に即したもので良く出来ているよなぁと感心してしまいます。「チャンピオン=擁護者」ですって。よく出来たスローガンだなぁと。きっとプロの人たちがかなり本気で練り上げたアイディアなのでしょうね。



女性票がヒラリーの命運を左右する理由 投票率が高く、米国経済の未来のカギを握る女性を取り込め | JBpress(日本ビジネスプレス)
FTさんちの評論なんかでも述べられているように、アメリカ経済――ついでに政治・社会問題という意味でも、対立軸は旧来あった民主と共和でも、リベラルと保守でもない、エストブリッシュメントと大衆の間にこそできつつあるわけですよ。アメリカの新断層線
――そして、おそらく、彼女はそんな中間層に狙いをつけ自らこそが「擁護者」であると印象付けようとしている。
実際この辺は現大統領であるオバマさんが結局「チェンジ!」できなかった分野でもあるんですよね。確かに彼は就任当初言われていた大恐慌レベルのどん底から、どうにかこうにかアメリカ経済を持ち直したことには成功した。しかしその上で期待されていたもう一歩先、史上最悪と言われる『格差問題』については――オバマケアもその僅かな一端ではあるものの――まぁほとんど何も手を打たなかった・打てなかったわけで。
つまり、彼女のそのチャンピオン宣言は、オバマさんの後継であると同時に一線を画す宣言にもなっている。


ともあれ、しかし口ではそう言ってもヒラリーさんについての一般認識といえば、リベラルインテリで旧来エスタブリッシュメントの権化でもあるわけで。元ファーストレディというだけでなく、生来からロダムな出自の彼女が全然『中間層』を代表していないというのはまぁその通りなんですよね。むしろ夫のビルさんの方がずっと大衆的ではあった。民主党候補のオバマからヒラリーのラインなんて、嫌味と紙一重のエリート路線が続くことになるわけで。
米国共和党の(再)中道化に避けては通れない道 - maukitiの日記
以前の日記でも少し書きましたけど、米国大統領選挙で見られる揺り戻しの一つは、前大統領に「なかった」資質を求める有権者の声でもあるわけで。この点からすると(兄のおかげで)間抜け扱いされる弟ブッシュであるジェブさんの方がまだ大衆ウケしたりするのかなぁと。おそらく彼もまた「温かみのある保守主義」ならぬ「大衆の味方」と似たようなことを言う可能性はかなり高い。ヒスパニック票に強いとされる彼は人口動態的にも今後更に大統領選の方が本領を発揮できるはず。でも4年先だと現職対決だし8年先だと今のヒラリーさんと同じく年齢がなぁ。


ということで、まぁどっちもがんばれ。