正しい意味での確信犯たち

陰謀というよりは無能うんうぬんなハンロンの剃刀なお話。



オバマの戦争ことアフガニスタン戦争が現状どうなっているかというと……: 極東ブログ
うーん、まぁ、そうね。

 前ブッシュ政権時にイラク戦争の泥沼がその失態としてしこたま語られたものだった。そしてオバマ米大統領はこれを終結させると公約して登場した。が、2011年に米軍がイラクを撤退してからの惨状はついにIS(イスラム国)の登場を招いた。これにはイラクの政権に問題があったとかいう責任押しつけ論や、そもそも前ブッシュ大統領が開戦したことが原因だというそもそも論といった修辞で覆われているが、普通に考えたら、オバマ大統領の失態だろう。対処の責任者として登場したわけだし。

オバマの戦争ことアフガニスタン戦争が現状どうなっているかというと……: 極東ブログ

結局のところ、彼らが陰謀や我田引水のウソをついたというよりは、やっぱり身も蓋もなく「間違った」という所なのだろうなぁと思います。本気でイラクアフガニスタン問題は自身の政権時代の内に、数年でケリが着くと信じていた。
その意味で言えば、かつてのブッシュ政権の発言と、今のオバマさんのそれに大きな差があるかというと、やっぱりそうではない。両者とも悪意というよりは、ただ正しい未来を予測する能力に欠けていただけ。
前任者であった彼らはほんとうにイラク戦争をあっさり終わらせることができると信じていたし、後任者であった彼らはほんとうにイラク戦争後の混乱をあっさり終わらせることができると信じていた。
呆れるほど自信過剰な人たち。
正しい意味での確信犯。


両地域の現在ある混沌の最終責任がどこにあるかはともかくとして、どちらにしても彼らはその『予測』に失敗した、というだけ。これなら何もしない方がマシだったかもしれないね。かといってまさに「アメリカが何もしなかった」シリアでは既に死者は22万人を越え、あるいは独裁者だけぶっ殺して後は放置したリビアなんかでは現在進行形で国家が融解しつつある。
結局、アメリカという超大国というだけでなく、やっぱりアメリカの中の人間の能力の限界だよなぁと思います。それは善意や悪意の問題ですらない。まぁ自信過剰か無責任な人間でなければ、政治家ひいては大きな義務を負う国家指導者の役割を担うなんて無理だろうと言われると同意するしかないんですけど。


こうなると古今東西の政策の成功率についての超巨大なデータベースを備えた、スーパーコンピューター辺りに政治も任せた方がマシかもしれないね。実際、人間の専門家より、回帰分析や統計的推測から得られる選択肢の方がマシであることはもうかなり――というかほとんど正解だったりするのだし。




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