世界は尚も「垂直に」分裂している

マルクスな世界はまだやってこない。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43712
うーん、まぁ、そうね。きっと旧ソ連を筆頭に、内にある民族主義の扱いについて上から目線で説教されていた国々は「ざまぁwww」感はやっぱりあるのでしょうねぇ。自称「抑制的な」イギリスも、やっぱり人ごとではなかった。

だが、正しく理解され、きちんと主張されれば、英国は過去と変わらない価値を持っている。

 イングランドスコットランド、その他地域が、文化的、商業的、そして程度は劣るが仮に軍事的に世界で発言権を持つという野心を持ち続けるのであれば、英国は素晴らしい装備を備えた道具だ。英国は、安全保障やその他のリスクを共同でプールする出来合いの手段だ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43712

ぶっちゃけこれって、旧ソ連末期の時代に民族主義の嵐によって融解していったソビエト連邦を懐かしむ(プーチンさんのような)人たちの物言いとほとんど変わらないよねぇと。
結局、彼らは共産主義という兄弟愛だけでは連邦内の諸民族をまとめ「ソ連人」を生み出することができなかった。共産主義者たちの世界連帯という夢が実現しなかった身も蓋もない理由にそうしたモノがあったわけで。
――そしてまた、古き良き世界に誇る『大英帝国』という歴史も、同じ「英国人」を生み出すことが出来なかった。
この点、尚も社会を分断する境界線は垂直方向に走り続けている、という点でスコットランドの騒動はとても面白いなぁと思います。


独立を目指す彼らは、中央政府がどうであろうが、その民族的アイデンティティの発露を抑えることなんてしなかった。かつてマルクスさんが仰ったような社会の水平分裂=貧富の格差問題は世界中で、これまでにないほど大きく言われていますけども、しかしそれでも、こうして実際に社会が分裂するのはむしろ尚も垂直方向=民族的方向だっていうね。
社会分裂を招く境界線は尚も、水平方向ではなく垂直方向に走っている。


スコットランドのお話って、世界中の騒乱の多くを見ても同様で、色々と考えさせられるお話だよねぇと。この辺の垂直方向の断裂こそが中国政府の不安感の根源あるのだろうし、そしてまた私たち日本も沖縄なんかで他人事ではないのだろうなぁと。
みなさんはいかがお考えでしょうか?