21世紀は人身売買の時代

すばらしき新世界。


ネパール大地震、貧しい農村で被災した若い女性たちは人身売...:レコードチャイナ
うーん、まぁ、そうね。日本ではどちらかというと歴史問題の方に分類されてしまいがちではありますけども、こうした(特に性産業従事の)グローバルな『人身売買』ってむしろ現代世界においてはより存在感を増している、というのがリベラルな国際社会において大きく取り上げられる最大の理由でもあるんですよね。典型的なグローバル世界の負の側面。この辺の文脈について、無関心や認識のズレがあったりするのかなぁと少し思ったりします。

同紙によると、7000人以上の死者が出ているほか、貧しい農村地帯に住んでいた数十万人が家も持ち物も失っている。それらの地域に住む若い女性や少女らは、これまでも人身売買のターゲットとなっており、韓国などで売春婦として働かされてきた。

国連や地元NGOによると、ネパールで人身売買の犠牲となっているのは毎年1万2000人から1万5000人に上るとみられており、韓国や遠くは南アフリカまで連れて行かれ、売春婦として働かされているという。首都カトマンズにあるNGOの担当者は、人身売買のブローカーたちは、災害時を利用して支援という名目で女性たちを誘い出す実態があると指摘し、人々にそういう情報を知らせるための活動も行っていると述べている。

ネパール大地震、貧しい農村で被災した若い女性たちは人身売...:レコードチャイナ

それは今回ネパールのような自然災害だけでなく、紛争や経済危機でも同様に起こっていて、むしろそうした無政府状態及び深刻な貧困状態が起きると「ほぼ確実に」こうした人身売買が起きるようになっているんですよ。最近も『イスラム国』で話題になっていたり。
――だからこそ、善意に溢れた国際社会において、人身売買について否定的なポジションをより強く表明する必要があって、そのお手軽な手法として現在ではなく過去のそれを上から目線で説教をするインセンティブが生まれるのです。だって現実に現在進行形である解決の難しいそれを(実際に行動を求められる)批判するより――特に経済問題に悩む東中欧や紛争の続くアラブ世界では現代のセックス奴隷として大きな問題となってもいるわけで――ずっと楽なポジションの取り方でもあるから。


現在あるそれを半ば無視しておきながら、過去の出来事については上から目線で文句をつけるのはほんとハラショーなお話ではありますが、まぁそれも仕方ないお話ではあります。だって国家主権至上主義な現代世界において公的に「犯罪化」することはできても、上記にもあるようにせいぜいNGO任せで、より実効性のある超国家的な取り組みを事前予防策としてこれ以上進めることなんて不可能な訳だから。かくして現在ある人身売買という犯罪は今回のネパールでも続くことになる。きっと次のイベントでも同じでしょう。
現在のそれが解決が難しいからこそ、その存在の否定に必死になる私たち。人身売買はひどいことなので、反省しようそうしよう。日本もこの口だけビッグウェーブに乗り遅れるべきじゃない。
汗をかくよりただ口を出す方が簡単だしね。


がんばれ人類。