貧しいってつらい

耐震化のコストの請求先。


ネパール震度5弱〜6弱 北大准教授試算、低コストの建物被害  :日本経済新聞
ネパール「地震の巣」で再び 少ない耐震建物、被害懸念:朝日新聞デジタル
ということでまったく他人事とは思えないネパールの地震であります。

 北大は現地のトリブバン大と共同で、この地域内の東西約10キロに地震計4台を設け、2011年9月から観測している。試算では揺れのデータを気象庁の計算式に当てはめ、6弱が1カ所、5強が2カ所、5弱が1カ所だったという。

 今月3〜10日に現地入りした高井氏は「コストが安い建物や、傾斜地など不安定な地盤の建物の被害が大きかった」とも述べた。現地では今後も大きな地震が発生する可能性が指摘されているといい、今回の試算結果は防災面で役立つという。

ネパール震度5弱〜6弱 北大准教授試算、低コストの建物被害  :日本経済新聞

 ネパールでは今も、細い柱に赤れんがやブロックを組み合わせただけのビルや民家がほとんどで、耐震構造の建物は少ない。25日の地震でも被害の拡大が懸念される。

 地震への懸念はネパール国内だけでなく、国際社会でも共有されてきた。OCHAは13年に各国の専門家を集めた対策会議を開いた。日本も以前からネパールでの地震対策支援を続けてきた。

ネパール「地震の巣」で再び 少ない耐震建物、被害懸念:朝日新聞デジタル

悲しくなるのは、今回の各種報道を見ると外野からの支援だけでなくネパール当局の中の人たち自身もその「危うさ」は認識していたにも関わらず、しかし身も蓋もなくリソースの限界によって解っていながら耐震策に手を付けられなかった、という救えないお話という点だなぁと。
――耐震化に掛かるカネは一体誰が出すというのか。
まぁの辺は特に途上国を交えた国際的な防災会議でしばしば言及されるお話ではあるんですよね。もちろん善意ある国際社会は注意勧告をし、更にはある程度まで援助することはできるものの、しかしそれだけですべてが賄えるわけでは絶対にない。今回のネパールのように地震頻発国であるという自覚や、あるいは毎年到来する台風被害など、ほぼ確実に被害を受けることが解っていても、しかし先立つものが無ければ安全を追求することすらできやしない。
それは今回のように悲劇が起きても尚、これまでも何度もあった地震の事例と同様に、リソースの限界については今後も何も変わらないのでしょう。
国際的な防災会議の常。何もかも貧乏が悪いんや。


その点では、日本は「まだ」マシなのでしょう。ちなみにこういう理由からしても、江戸時代に帰ろうとか日本は経済大国を諦めても貧しくとも慎ましく生きていけるとか適当なことをいう人は爆発すればいいのにと思っています。
安全には、たくさんお金が掛かるのだから。
ネパール大地震で多くの建物が倒壊したカトマンズ市街を歩いてみて - GIGAZINE
それでも、無いものは無いのだからと、たくましく生きていく人たち。まぁ確かにその光景は健気で、人間の力強さを感じ素晴らしいとは思いますけども。


がんばれネパール。