グリジットから駒?

ギリシャ危機の余談。



南北分断41年、北の指導者が再統合に前向き : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
そういえばちょっとキプロス問題が進展しそうなふんいきがあるそうで。

ただ、南側の国民感情はもう少し複雑だ。

 「この土地は我々のものだ。返してほしい。我が家に他人が住むのを見た時の気持ちは忘れられない」

 島東部ファマグスタ出身のギリシャ系住民、ヨルゴス・コンスタンティノさん(54)は白い砂浜を前に声を震わせた。島有数のリゾート地だったファマグスタは、1974年にトルコ軍が上陸して以来、北キプロスの実効支配下にある。

南北分断41年、北の指導者が再統合に前向き : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

うーん、まぁ、そうね。ここまで長期化すると補償等あっていろいろ難しいでしょうねぇ。
まぁぶっちゃけた話をすれば、そもそも、善意溢れる国際社会なんかが訴える「統一キプロス」が実現していたのって独立後の1960年からせいぜい3年程度しかないわけですよ。元々ほとんどありもしなかった統一を今更言われても困ってしまいますよね。


なので個人的にはもう連邦化でいいと思いますけども、ただ南キプロス――ひいてはその背後のギリシャがどう出るのかなぁと。ぶっちゃけ上記理由もあって現実的な妥協案である「連邦化」も、基本的には南部側が拒否し、ついでにギリシャ系がキプロス島を支配することがトルコに対して独立運動の歴史的な「戦利品」と考えるギリシャもいい顔をしない、という背景があるわけで。逆に北キプロスやトルコ側にとって連邦制は戦術的勝利でもある。
新ギリシャ国防相、対トルコ挑発行動 / SYNODOSが選ぶ「日本語で読む世界のメディア」(東京外国語大学) | SYNODOS -シノドス-
実際少し前にも、ギリシャ新政権の国防大臣がトルコ側を煽りまくっていたんですよね。現状のような状況にあるギリシャが、こうした限りなく歴史問題=国家神話に関わる問題で妥協できるかというと、かなり怪しいなぁと。
ちなみにこの辺は「例の」竹島問題と似た構図でもあったり。ただの島でしかない一部領土にまつわる神話が国家のアイデンティティに関連付けられてしまっている。こちらもあちらもめんどくさいですよね。まぁ『神話』なんてどこもそんなもんなのでしょうけど。まいそろじーこわい


ともあれ、もしここでグリジットが実現するとと、ギリシャと同じくユーロ加盟済み(そのせいでギリシャの経済危機で大打撃を受けたもののようやく底を抜け出しつつある)キプロスとの距離感が出来ることになって、むしろ南北キプロス問題にとっては利点と言えるのかもしれない。
キプロスの3月観光収入、旅行者急増で前年比15%増 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
そうすることで初めてキプロスが二度目の――真の独立を考えられることになったりするのかなぁと少し思ったりします。


グリジットからキプロス問題解決に近づく、かもしれない。瓢箪から駒のようなお話。
みなさんはいかがお考えでしょうか?