小さく固い共通価値観か、広く曖昧な共通価値観か

ミクロな社会でもあるあるなお話ではあります。


G7首脳宣言 東シナ海・南シナ海の緊張に懸念表明 NHKニュース
ということで今年のG7(8-1)も無事に終わったそうで。

そして外交政策では、中国を名指しすることは避けながらも、東シナ海および南シナ海での緊張に懸念を表明し、「平和的紛争解決、世界の海洋の自由で阻害されない適法な利用の重要性を強調する」としています。そのうえで、「威嚇、強制または武力の行使、大規模な埋め立てを含む、現状の変更を試みるいかなる一方的行動にも強く反対する」として、去年の首脳宣言より中国の対応を非難する姿勢を明確にしています。
また、ウクライナ情勢については、「ロシアによるクリミア半島の違法な併合への非難、ウクライナ東部における紛争の外交的解決を見い出す努力への完全な支持を改めて表明する」としたうえで、「すべての当事者に、停戦および重火器の撤去の完全な尊重と履行を改めて呼びかける」としています。
そして、ロシアに対する制裁について、「停戦合意の完全な履行とウクライナの主権の尊重に明確に関連させる」として、停戦合意の完全な履行などがないかぎり継続する方針を打ち出しています。

G7首脳宣言 東シナ海・南シナ海の緊張に懸念表明 NHKニュース

なんというか対中結束と対露結束がバーターな感じになっているのは愉快な風景ではありますよね。
まぁ去年もそうでしたけどこれでも尚、ロシアが居なくなったことで議題設定が楽になってそこそこ目に見える合意ができるようになったのは、ホント皮肉な話だよねぇと。より大きな影響力かより大きな合意か、というトレードオフが見事に成立している。どちらがマシかと言われると困ってしまいますけども。たぶん今年も、もしロシアが居たらロシア制裁はもとより、対中結束もできなかった可能性があるし。
――かといってずっと言われているようにG7の影響力は年々低下しつつあり、特にロシアや中国を抜いての国際社会全体への影響力なんてたかがしれている、というのは実際その通りでしょう。


この辺は多国間協力における永遠のテーマであって、今後ますますこのジレンマは深まっていくのだろうなぁと思います。もちろん場合によっても変化するのでしょうけども、一体どちらを選ぶのがマシなのでしょうね?


小さく固い価値観か、広く曖昧な価値観か。結構身近な市民社会でも見られるお話ではありますよね。多様な人たちを含めれば含めるほど、しかしその合意は曖昧なものになっていかざるを得ない。
みなさんはいかがお考えでしょうか?