動物を助けるようにはいかない

あるいは国連の「指導力」の限界。



国連PKO隊員、宝石やテレビ与えて性的関係 内部調査 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
昔から言われるように、血を流すイルカやアザラシあるいはハンターたちに密猟される陸上動物を救うようにはいかないのが、「人道」支援の難しいお話だよねぇと。それは救う側の事情もそうであるし、同時にまた犠牲者たる彼らにも彼ら自身の思惑が当然あるわけで。綺麗事も汚い事もいっぱい。
一度始めたことを簡単に放り出すわけにはいかなくなるし、かといってこの情報革命たる時代に生きる私たちの関心がそこまで長く続くはずもなく。

 ハイチとリベリアでの聞き取り調査結果からは、国連がPKO隊員による派遣国での性的虐待問題を過小報告していたことがうかがえる。

 ハイチの調査では、231人がPKO隊員と「取引による性的関係」を持ったと答えた。セックスの見返りは宝石、教会用の靴、ドレス、ランジェリー、香水、携帯電話、ラジオ、テレビなどだった。なかにはノートパソコンを得ていた例もあった。

 女性たちはセックスに応じた理由として空腹、家がないこと、乳児や家族のために必要な品を得るためなどを挙げた。見返りを与えることを拒否したPKO隊員からバッジを奪い、その隊員の身元をソーシャルメディアで暴露すると脅した女性もいたという。

国連PKO隊員、宝石やテレビ与えて性的関係 内部調査 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

私たちが未だに理想主義的に幻視することも少なくない国連もやっぱり単純に「善」であるとは決して言えない、と。そもそも基本的なお話として、PKOに主力たる軍隊派遣国といえば決して先進国とは言えないわけで。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000019811.pdf
アレなお話ですが、そんな中で常に紳士的な振る舞いが期待できるかというとやっぱりそうではないよねぇと。第七章に基づく平和維持軍って、第六章に基づく「国連軍」では決してなくて、それこそまず第一に重要なのは派遣国の事情であって国連がそこまで口出せるわけではない。これが災害派遣等であったらまだマシで、紛争事例なんかだと果てしなく利害関係は複雑になっていく。


犠牲者に犠牲者たる純粋性を求める人は少なくない。
その意味で言えば、だからこそ、動物愛護に走る人たちの気持ちも分からなくはないんですよね。ぶっちゃけ人権主義人道主義から「人間」を助けるよりも、ずっと容易で単純な構図から彼ら犠牲者たちを救うことができるから。もちろん全てではないにしても、そうした理由から人間ではなく動物たちを守ろうとする人たちも少なくないのではないかと思います。


がんばれ人類。