「感じ悪いよね」の裏表

あの政党感じ良いよね! への一里塚。


「自民、感じ悪いよね」国民に広まると危機 石破氏:朝日新聞デジタル
結構今更な「感じ悪いよね」発言について。そろそろブームは終わりつつあるから適当なことを言っても感じ悪いくらいで許されるよね。

 自民党がガタガタとするのは政策よりも「なんか自民党、感じが悪いよね」と国民の意識がだんだん高まっていったときに危機を迎えるのが私の経験だ。政策は大事だが、「嫌な感じ」が国民の間に広まることは心しなければいけない。

「自民、感じ悪いよね」国民に広まると危機 石破氏:朝日新聞デジタル

まぁホッブズ先生的に言うと「統治するとは、信じさせることである」なので、この石破さんの言葉って概ね真理を突いた言葉ではあると思うんですよね。故にこの「感じ悪い」は両者の信頼関係の破綻を意味し、その後にやってくるのは統治の失敗でもある。
その意味で(まさにそんなホッブズさんが否定しようとした)民主政治においては、彼が生きていた17世紀以上に、現代においてはその言葉はより真理なのだと思います。政策の代用品として、外聞の良さや見栄えこそがその支持率を左右する。「感じ悪い」と政権を批判することは、まさに論理を超越している故に、強力である。せいりてきむりー。


ただこの言葉をそのまま裏返せば、政策等の中身を無視しての「感じ良いよね」で政権を選ばれることを意味してもいるわけで。ただ政治家の印象だけで投票する私たち。どう考えてもそれって地獄への第一歩ですよね。だからまぁこの言葉って心底有権者をバカにしたお話ではあるのです。
つまり石破さんは、そのように有権者は判断するだろう、と言っているわけで。
しかし悲しいことに、少なくとも我が身を振り返れば、それって概ね正しい認識ではあります。まさに私たちのこれまでの選挙結果を振り返ると、そのように考えてきたことは事実でしょう。感じ悪いから投票しない。なんか感じが良いから投票した。


政権与党である自民党がそのように「正しく」考えていることに、私たちは喜ぶべきか否か。
気に入らない政治家を「感じ悪い」と批判するとき、次の政権を狙う人たちもまた「感じ良くあれ」と企んでいるのだ。