米中パワーゲームの狭間で自己成就予言を叫ぶ韓国

バランサーを夢見る彼らの悲しき陥穽。


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ということで出席予定が報じられた当時から言われていましたけども、韓国は渤海の向こう側にいっちゃった感のある風景であります。上記リンク先の写真撮影から見る序列なんかを見ると、右腕はロシアとしても(宣伝込で)左腕くらいのポジションかも。ヨーロッパがそうであるように、やっぱり私たちが生きる東アジアでも激変の時代だなぁと。中国とアメリカの影響が、まるでピタゴラスイッチのように周辺へと波及する。
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ただこれって、端から見ると韓国の反日云々というよりは、むしろアメリカへの疑念という予言を自己成就を更に加速させちゃった感があるんですよねぇ。地政学的には半島国につきものの宿命ではあるものの、バランサーというよりはむしろ周辺大国の間で常に危うい綱渡りを続ける以外にない。韓国さんちはやっぱり大変であります。

「朴大統領かっこいい!」
「米国が日本だけをかわいがっていると、韓国はいつか米国を裏切るかもしれないよ。日本には見込みがないことを米国も分かっているはず。米国は慰安婦問題や独島(日本名:竹島)問題について、日本に圧力を掛けてくれ」

「安倍首相と金正恩キム・ジョンウン)が歯を食いしばっている姿が目に浮かぶ(笑)」
「南北統一に向け、中国の協力は必要不可欠。朴大統領は正しい決断をした」
「朴大統領と習近平主席、なぜか分からないけど、とってもお似合い。夫婦のようだ」
「中国に歓迎されるのは容易ではない。朴大統領はうまくやっている。日本と北朝鮮をけん制しよう」

「米国に嫌われないか心配だ」
「ついに、韓国をめぐる米国と中国の愛の綱引きが本格的に始まった。クジラのけんかでエビの背中が裂けないよう(強い者同士の争いに弱い者が巻き込まれて被害を受けるという意味の韓国のことわざ)、朴大統領は気を引き締めてほしい」

中国が朴大統領に格別の配慮!首脳会談後には異例の昼食会も...|レコードチャイナ

面白く、しかし悲しい話なのは、韓国がこうして(おそらく)リスクヘッジの一環として中国傾斜を強めれば強めるほど、しかし彼らが恐れる未来が近くなるという点にあるんですよね。彼らはまさに自己成就予言という陥穽に否応なく嵌りつつある。


私たち日本でも疑念は少なくなくよく議論のネタになっていたりしますが「アメリカへの疑念」って向こうではより真剣に論じられているわけですよね。当然より最前線にある韓国では本邦なんかよりずっと真剣に語られているわけですよ。
数年前の作戦統制権をめぐるグダグダなんかでも顕著でしたけども、彼らがそれを返せと要求しアメリカが素直に応じる――まぁそれはそれでアメリカの「脅し」でもあるんですけど――と、愉快なことにそれはそれで逆に韓国の疑念は深まってしまう。
――まさかアメリカは自分たちを見捨てるつもりではないか、なんて。
無論それも「最終的には日本を優先するだろう」という反日絡みの要因も多分に含まれているものの、しかし彼らには尚も停戦できていない北朝鮮や中国日本に囲まれてアメリカに見捨てられたらどうするのか、というのっぴきならない事情があるわけですよ。かくして彼らは「次善の策」として中国傾斜を強める。
ところが、韓国が真面目にリスクヘッジ=中国と「も」関係強化をしようとすればするほど、彼らが真に恐れるアメリカから見捨てられるという未来が皮肉にも近づくことになる。考えてみたら当たり前の話ではありますよね。アメリカもまたそういう態度で韓国に臨むようになるのだから。


進むも地獄、引くも地獄。


彼らはその懸念をどうにか他の方法で担保しようとしては、その不吉な未来予測の成就可能性が高まることになる。自縄自縛に陥る韓国。じゃあどうすればいいんだ、って頭を抱えてしまうお話ではあります。
そうした彼らの右往左往と評することは概ね正しいものの、しかし簡単に笑うだけで済ませられる話でもないよねぇと。



まさに私たち日本も「明日は我が身」として全然笑えない。80周年では次は日本が出席していてもおかしくない。
がんばれ韓国。