「こうするしかなかったのはわかるが、まさか本当にやるとは思わなかった」

そろそろ新聞一面からも消えつつあるし、適当なことを言っても許されそう(お客さんが一杯こなそう)なので適当なお話。




野党共闘、七つの1人区で逆転…来夏参院選試算 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
ということで志位さん会心の一手であります。というかこのような「可決後」の絵を書いていたのだとしたらすごいなぁと正直感心します。あのデモ祭りで結局オチをどこに持っていくのかと疑問だったんですが、まさかこうなるとはなぁと。おそらく民主党はこれで困ってしまうのでしょうねぇ。二大政党の一翼だったはずがご覧のあり様に。
まぁそれを言ったらそもそも何で「民主党は」あのビッグウェーブに乗ってしまったのかというお話でもあるんですけど。




一連のデモについて賛否色々ありましたけど。確かにああした大騒ぎな「反権力デモ」というのに好感する人が居ることはやっぱり確かなわけですよ。その割合がどれだけ多いか少ないかについてはそれぞれ個々人の見解があるのでしょうけども、しかしシールズのようなビッグウェーブに乗ることでこそ固めることが出来る支持層というは、社民や共産を中心に確実に存在している。
その意味で言えば、ああしたデモに迎合し一緒に踊る政治家たちが居るのは全然不思議じゃなく、ああして一緒に踊ることこそが既得支持層の票固めに繋がるわけだから当然ですよね。だからあのデモって(無邪気な一般のデモ参加者たちと違って)少なくとも一部政治家たちにとっては、きちんと計算された行動でありぶっちゃけ『踏絵』でもあったのだと思っています。参加しなければ自身の支持層を失うことに繋がりかねない、と。
既得支持層を保持するためのデモでもあった。


安保反対派はデモよりも「政権交代こそ常道」を痛感せよ(上)|上久保誠人のクリティカル・アナリティクス|ダイヤモンド・オンライン
安保反対派はデモよりも「政権交代こそ常道」を痛感せよ(下)|上久保誠人のクリティカル・アナリティクス|ダイヤモンド・オンライン
ただ一方で、もちろんそうすることで「失う」票があることも事実でしょう。ぶっちゃけそれについてのリスクとリターンを考慮した上で参加を決めたならまぁそれは現実の計算としてそんなものかなぁと理解はできます。
――けど民主党が何でこれに乗っかったのかホントよく解らないよねぇと。

 そして、このサイレントマジョリティは、デモが広がれば広がるほど、「俺らはそんなに暇じゃない」と、シラけてしまうのだ。デモは、彼らに不快感を与えているのである。安保法制反対派は、サイレントマジョリティの票を、どうやって取っていこうとするのだろうか。戦略はおそらくないであろう。民主党や維新の党の政治家は、選挙が近づくにつれ、事態の深刻さに気づいていくことになる。だが、その時にデモがお化けのように肥大化していて、全くコントロール不能になったら、どうするのだろう。

 結局、次の国政選挙で、共産党議席数を増やして喜び、他の野党は壊滅することになるのを、筆者は非常に恐れるのである。この論考は、今、頭に血が上っている反対派にとって、非常に不快なものだろう。だが、筆者は「安倍政権による安保法制の実現」に反対の立場だからこそ、これからの「本当の闘い」のために、あえて言いにくいことを強く訴えておきたいのだ。

安保反対派はデモよりも「政権交代こそ常道」を痛感せよ(下)|上久保誠人のクリティカル・アナリティクス|ダイヤモンド・オンライン

共産党なんかがああして流れに乗ったのはとても理解できます。元々親和性の高い既存の支持層と相性が良かったのだから乗らない方がバカでしょう。でも民主党ってそうじゃない――少なくともあの政権交代で中間層を獲得したのってそうした層に訴えたおかげでは決してないはずでしょう。むろん民主党支持層にもそうしたデモ好き層が一定割合居て、そうした支持を固めるには有効ではあったものの、じゃあそれで失う票については一体どこまで計算しているのかと。共産党とは違って、少なくとも現実の政権交代先として見られていたからこそ、あの時勝てたはずなのにね。しかし彼らは最早他に手段がなく、そうするしかなかった。
そう考えるとしみじみと「こうするしかなかったのはわかるが、まさか本当にやるとは思わなかった」だよなぁと思ってしまいます。大日本帝国魂を受け継いでいる人たち。




一度その流れに乗ってしまうと、まさに今話題になっている『野党共闘』という流れから降りることすらも難しくなってしまうわけで。ここで引いたらあのデモ参加による配当さえ失ってしまうからもしれない。かといってこのまま進めば民主党が他の野党と差別化できていた「自民党に代わる政権政党」という絶対のリードを失うことになる。
進むも地獄、引くも地獄。対立軸を鮮明にできないままに、場の空気に流されて共産党と同じ路線を進みつつある民主党
かつては二大政党の一翼として期待された政党の末路。まさかそのトドメを刺しつつあるのが共産党とはなぁ。


がんばれ民主党