「援助交際13%かくにん! よかった」

ディスインフォメーションな陰謀というよりは、むしろ折角日本に来たのだから専門分野でいっちょ噛みしてやろうとかそういう愉快なお話だろうなぁと。


「日本の女子中高生の13%が援助交際」…国連特別報告者の発言に憤りの声続々(1/2ページ) - 産経ニュース
へー。まぁ、なんというか、最近も逆ギレ気味に裁判に打って出ようとしている某小保方さんの「陽性かくにん! よかった」位のお話じゃないかと。

 産経新聞ジュネーブ国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に問い合わせたところ、「13%」を「概算」と表現した上で「残念ながらこの収益の大きいビジネスに関わっている未成年者数の公式な概算はない」と回答した。また、特別報告者が「概算」に着目したのは援助交際が「憂慮すべき現象」であるからで、関係機関による実態調査の必要性が強調されるべきだと説明した。

「日本の女子中高生の13%が援助交際」…国連特別報告者の発言に憤りの声続々(1/2ページ) - 産経ニュース

ということでまぁ『人は見たいものが見える』し『ハンマーを持つ人間は何でも釘の問題に見えてしまう』というよくある――だからこそ救えないクソみたいな人類普遍のお話ではないかとは個人的に思います。彼らがそのように報告するのは、国際政治というよりは、むしろ個人的な利害関係があるわけですよ。だってそれが仕事なんだから。ただ日本に遊びに行ったと見られるわけにはいかない以上、どうにかして彼女は「成果」をでっちあげる必要がある。実際それに見合うだけの人が本邦では、今の少年犯罪の多さに対する認識なんかで有名なように、バカみたいなことを言う人は少なくないわけで。


かくして性的搾取の専門家が怪しげな情報の断片から想像すればそらそうなるよねっていう。実際10年ちょっと前のイラクでも似たような事が起きて、戦争までやっていたわけで。
彼らはなにも専門家だから無謬なのではなく、むしろその専門知識故に、しばしば、怪しい部分を見つけてはその背景を過大に報告する。なんか怪しい化学薬品を大量輸入していたり*1、あるいは怪しい兵器の隠蔽工作*2を見ては裏に何かあるに違いないと確信する。
もちろん日本にそうした事例がゼロだとは絶対に言えないし、それほど数字は大きくはないものの、一定以上あるのは間違いない。でも13%て。どう考えてもヒアリングした相手が悪いよなぁと。それこそ「憂慮すべき現象がある」からといって、誇大なウソをついて良いのかというとまぁそんなことありませんよね。
そんな事を認めるならばあのイラク戦争だって容認すべきというお話になってしまう。確かにあの時だって、大量破壊兵器について、憂慮すべき現象はあったわけだし。まぁあちらの事例でも同様に許容してきたというならば、今回の日本でもそれはそれで一貫性はありますけど。


ともあれ、このお話が死ぬほど厄介なのは、たいていの場合、それこそイラク大量破壊兵器の時も同様に、そうした人たちを動かす動機と言えば『善意』であるという点であるわけで。
まさに彼らは善意からの行動である故に、その「多少の」誇大広告は許されると本気で信じている。大量破壊兵器を無くすためならば、性的搾取な援助交際を無くすためならば、信憑性の怪しい情報を用いても許されると考える人たち。確かに全部が全部ウソではなく、少なくとも半分は真実であるものの、しかし残りの半分はどう見てもウソでしかない。そんなウソは自身の高貴なる使命の前に、ある程度適当でも許されると考えている人たち。
まぁ幸せな人たちですよね。でもそういう人たちって、まさにそれでイラクで戦争まで至ったように、国際社会の真ん中辺りにすら結構いっぱいいるのでした。


今回もそういうお話じゃないかと思います。かくして見たいものが見える、あるいはまさに性搾取問題の専門家というハンマーを持つ彼女は、おそらく誰かの言葉を真に受けてその言葉を受け入れた。日本にも撃つべき釘があるのだ、なんて。
いやぁ「今回は」間違ったからといって戦争にならずに済んで良かったよね。


みなさんはいかがお考えでしょうか?

*1:農薬だった。

*2:いやがらせの隠蔽工作だった。