むしろブレアさんの異常な熱意は結局どこから来たのか問題

子ブッシュさんの真意についてはアレコレ色々言われているけれども、幸か不幸か、彼はあんまりよね。


ヒラリーメール公開で明らかになった英国の恥部 ブッシュ元大統領のポチぶり全開、トニー・ブレア元首相 | JBpress(日本ビジネスプレス)
うーん、まぁ、そうね。
ただブレアさんをアメポチと評するのはどうかなぁと。それじゃまるで本人は乗り気じゃないのにアメリカに尻尾を振りたいから対米追従しているみたいじゃないかと。それはちょっと文脈としてどうかなぁと。
そもそもイラク戦争ってその前段階の『対イラク制裁』をめぐっての完全な対立状況があったわけで。むしろ制裁の実効性評価が最大の焦点で、元々はイラク侵攻自体はそれほど真剣に考えられていたオプションでもなかったはず。制裁不可欠派と制裁緩和派の膠着状態。フランスやロシアによる制裁反対派がある一方で、もちろんイギリスはアメリカと共同歩調で制裁強化派だった。
ところが『9・11』が全てを変えた。英米は最早制裁すら手ぬるいというポジションへ進み、上記イラク制裁をめぐる国連での対立は後戻りできなくなっていく。

(ブッシュ)大統領へのメモ:差出人:コリン・L・パウエル
内容:トニー・ブレア英首相との会談について。2002年4月5日から7日までテキサス州クロフォードで。

トニー・ブレア氏はクロフォードでの会談を心待ちにしています。ブッシュご夫妻と個人的な関係を深めたいと願っています。ブレア氏は会談で、次のテーマを話し合いたいと言ってきています。アフガニスタンイラク、中東全般、ロシアとNATO北大西洋条約機構)、貿易と開発。

イラク問題では、米国がイラクへの軍事介入を必要と判断した時にはブレア氏はついていくとの意志です。米国の先導に従います。

 (中略)ただ現段階で、英労働党と世論はイラク軍事介入には納得していません。ですからイラクが国際的平和にとって脅威であることを広く信用させる必要があります。「戦後」についても熟考して社会に示すべきです。

ヒラリーメール公開で明らかになった英国の恥部 ブッシュ元大統領のポチぶり全開、トニー・ブレア元首相 | JBpress(日本ビジネスプレス)

上記引用された文面を見る限りでは、その基本方針の追認位かなぁと。
まさにブレアさんは嫌々ながらの対米追従どころか、子ブッシュさんに負けず劣らずやる気満々過ぎた結果、誤った(これはこれで意図的か否かの議論がある)情報をイラク戦争へとイケイケドンドンで突っ走っていったわけで。
当時の流れについて、全てアメリカのみに押し付けるのはやっぱり違うかなぁと思います。
まぁそんなブレアさんの態度が英国っぽくないと言うのにはかなり頷けるお話ではあるんですけど。実際何でブレアさんが、対イラク制裁強硬派から始まり国連での議論が膠着状態に陥った結果のイラク侵攻賛成という所まで、あそこまで熱心だったのかはよく解らないんですよねぇ。あれはただ単にアメポチぶりというだけでは説明できないんじゃないかと。


だからこそ既存の英国労働党支持な人たちからは彼は蛇蝎の如く嫌われているわけで。で、そんなブレア反動で今の代表選出がすごく面白いことになっているのが愉快なんですけど。


みなさんはいかがお考えでしょうか?