『世界の敵』になるのも楽じゃない

いよいよあのビンラディンさんの向こう側の地平へ。


対IS:米欧露が空爆協調 情報機関も連携 - 毎日新聞
仏露、対ISで異例の連携に合意 シリアの拠点空爆 写真8枚 国際ニュース:AFPBB News
シリア情勢、米露協調へ【10月初めから予測済】 - Togetter
ということで米だけでなく仏露までと、なんだか主要国大集合な対『イスラム国』戦線であります。この三ヶ国の同時空爆なんてイラク戦争後の10年前に言われても信じなかっただろうなぁ。まさにあの時は仏露の反対によってアメリカを止めていたのに、今では見事に逆っていうね。このオールスターな構図ってそれこそ『9・11』後ですら見られなかった光景なんですよねぇ。
ISISの「All You Need Is Kill」 - maukitiの日記
以前の日記でも『イスラム国』ってそういうとこあるよね、と軽く書いていたんですが、まさかここまでやるとは思いませんでした。やっぱりその意味で言えば故ビンラディンさんの「ヨーロッパはアメリカに手を貸すな」戦略はそこそこ正しかったのでしょうね。実際あの頃は、まさにそれで激怒したアメリカ(ついでにイギリスも)だけが突出していて、だからこそ相対的にあれだけアメリカの暴走が相対的に際立っていたわけだから。それこそがアルカイダの基本戦略だった。


――ところがそんなビンラディンさんの影も消えつつあり、ロシア航空機撃墜にパリ攻撃と、敵を選ばない彼らはほんともう見事に世界にケンカを売りつつある。こんな米英仏露のオールスターが見れるなんてナチス以来じゃないかな。



ともあれ、今後のウォッチャー的には元々潜在的にあった仏露協調は一体どこまで深化していくのか、という辺りなのかなぁと。少し前にも例の揚陸艦騒動でちょっと揉めていたはずが一転こんな展開ですよ。アメリカ一強後に生まれつつある今の多極世界にあって、こうした協調は対米・対中・欧州連合の未来とも決して無縁ではないでしょう。
まさにヨーロッパでは大戦が終わってから、勢力の均衡線が鉄のカーテンとして引かれたように、今の事実上の『対イスラム国』同盟のその後の世界について。


幸か不幸か、今回はむしろ誰もベルリン進撃競争のようにシリアやイラクに手を出す気がない=地上戦をやる気がないので、今後これがどのように終わるかはまったくわかりませんけど。もし割れるとしたら最近も少しニュースにあった「アサドさんの処遇」をめぐってという辺りですかねぇ。果たして上記米仏露に周辺国は一体どのようなオチをシリアに夢見るか?
それは単純にシリア(イラク)の将来だけでなく中東地域の、そして更にはより大きな国際社会の勢力図を表出させつつあるものになるんじゃないかなぁと少し思います。


みなさんはいかがお考えでしょうか?