限りなく曖昧な「難民受け入れ」演出の成否

メルケルは(理念としての)欧州を救えるか


「マザー・アンゲラ」―在任10年、メルケル独首相の歩み 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
CNN.co.jp : タイム誌「今年の人」にメルケル首相 金融危機や難民対応を評価
難民に門戸開いたメルケル首相、決断の舞台裏 - WSJ
メルケル・ドイツ首相、タイム誌の2015年「今年の人」 選ばれた理由は? | ハフポスト
ということでメルケルさんが「ことしの人」に選ばれたそうで。実際、ギリシャ危機に始まりウクライナVW不正に難民危機にとヨーロッパ大混乱の年にありながら、それでもここまで支持を維持しているのは正直すごいと思います。上記リンク先にもあるように、危機の時こそ政治指導者の真価が試されるわけで。
少なくとも国際関係においては、同じ時代にあるオバマさんよりもずっと『遺産』は大きいだろうなぁと。

 反発はメルケル首相に譲歩を強いている。首相は今、開かれた移民政策を反転させることなしに、欧州への移民の流入を抑制しようと試みている。世論調査によると、メルケル首相のこの政策に対して、国民の意見は分かれている。首相は欧州の国境を有刺鉄線で囲むことと、武力衝突の危険を避けることを固く決意している。

 首相に近い政府関係者の一人は「この問題をうまく収めるか、もしくは欧州が破裂するかのどちらかだ」と述べた。

難民に門戸開いたメルケル首相、決断の舞台裏 - WSJ

これまでの日記でも書いてきた通り、個人的にはこれはその通りかなぁと。もちろんメルケルさんの「難民受け入れ」が直接的にヨーロッパに危機をもたらしていることも否定できないものの、かといってあそこで難民拒否をあからさまにやってしまったら、それはそれで間接的にヨーロッパが夢見た欧州連合プロジェクトの自殺に等しいでしょう。欧州を東西を分けた鉄のカーテンの再来なんて、容認できるわけがない。
しかしそれはそれで、まさに現状が証明するように、やっぱり茨の道でもあるわけで。


かくして彼女は決断した。ただ拒否するのではなく、コントロールされた形で受け入れると。
――今後の焦点は如何にして単純な「拒絶」見えないようなやんわりとした拒否を演出できるかどうかに掛かっている。それさえできればこれまで通り国際社会の良心の代表という彼ら絶対のポジションを維持することができるから。そしてそれをできるのは結局のところメルケルさん以外に居ない。



かくして今後しばらくも、少なくとも当面の欧州連合の命運は彼女に掛かっている、という時点で彼女の影響力が最も大きいのでしょう。
がんばれメルケルさん。