タイミングに救われたCOP21

ならば本題である『地球温暖化』もタイミングよく救われるのかというと、それは別問題なのでした。


COP21のパリ協定は歴史的合意になるか - BBCニュース
COP21 「パリ協定」を採択 NHKニュース
http://blogos.com/article/149592/
そういえば当初はあまり期待されていなかったCOP21が「歴史的」で、結構な成功だったそうで。

イギリスのキャメロン首相は、フェイスブックに「われわれの世代が地球の未来を守るための義務を果たしたということが子どもや孫にも分かる重要なステップだ」とするコメントを載せました。そして「パリは1か月前、ヨーロッパでこの10年余りで最もひどいテロの犠牲になったが、きょうは歴史上最も前向きな世界の取り組みの開催地となった。世界は団結や希望、忍耐によって何ができるかを示した」と高く評価しました。

COP21 「パリ協定」を採択 NHKニュース

まぁ構図としてはとどのつまり、こういう事ではあるかなぁと。あれだけ国際社会の「対テロ結束」を謳っておいて、直後のこの会議(しかも会場はパリ)で「協調合意できず」と言うのはあまりにも体裁が悪すぎる。
かくして彼らは合意した。ほとんどの参加者がそれなりに満足するという素晴らしい合意。誰もが合意ということは、つまりそこには何らかの譲歩が存在していて、それはまぁ身も蓋もなく先進国の巨額の拠出であるし、そして先進国の側がその引き換えに得たのが「拘束力なし」という点に尽きるんですけど。政治的妥協って常にそういうことだしね。誰もが勝者であり、誰もが敗者である。


もちろんこの会議に多くのカネだけでない政治的資源が投入されたのは間違いなくて、それだけ熱心だった、というのはおそらく事実でしょう。でもその熱心さの根源はどこにあるか、と考えるとまぁ結構面白いお話ではあるかなぁと。パリ攻撃だけでなく、「EUぐるみ」と疑われるVWの不正や、あるいはEU人道主義が窮地に立たされている難民問題やら、特にヨーロッパには動機がありまくったわけで。そんな折にカネで国際的結束を買えるならまぁ安いものだった。
まさにその通りにCOPでは国際社会の結束を示すことはできた。良くも悪くも、あの『パリ攻撃』が無かったら結果は違っていたんじゃないかなぁと。


がんばれCOP。