小市民たちの善意の底が抜けるとき、物語が始まる

また終末時計が一歩進んじゃった感。


ケルン暴行事件の被害届500件超す、4割が性犯罪 計画的犯行か 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
大みそかの性犯罪、スイスやフィンランドでも 難民申請者が計画か 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
【移民ショック】集団暴行事件、スウェーデンでも 昨年8月 移民受け入れ政策への配慮から当局、発表控える(1/2ページ) - 産経ニュース
うーん、まぁ、そうね。そうしたくなってしまった理由、というのは理解できるんですよ。つまるところこうした難民の乱行という『大義名分』を反対派が得てしまうから。まさに今のヨーロッパのように、彼らが優しく対応していればいるほど、裏切られたときの自己正当化という反動は大きくなる。


いつだって良くも悪くも小市民であることが大多数な私たちにとって、いくら怒りを抱えていても即過激な行動に移れるかというとやっぱりそんなことない。もちろん中には最初から頭のネジがぶっ飛んだ人も居ないことはないでしょう。でもそんな人はごくごく少数派で、大抵の人はなんらかの形で自らの(良心や常識のような)内心でバランスをとる必要があるのです。古今東西の多数の人がかかわったジェノサイドにおいて、事前に被害者たちを人間扱いしないように喧伝していたのはちゃんと理由があるわけで。
――相手が悪いことをしているのだから、
――相手は自分たちと同じ人間ではないのだから、
――我々には大儀があるのだから、
自分が行う不法行為は正義の名の下に許されるのだ。愛国無罪造反有理
差別や抗議活動などの運動がアレなことになってまうのって、基本的にはこの「自己正当化」が一般的になってしまったタイミングでこそ参加規模は膨張し正義感は果てしなく暴走してしまうのです。躊躇っていた小市民たちをも動かすタイミング。大義名分を得ることで内心の葛藤を乗り越えることが容易になってしまった『憎悪』というものは、それはまぁ恐ろしい結末に続く道となる。
自己正当化によってブレーキをぶっ壊してしまう人たち。


かくして善意ある西側政府はその難民たちの所業を隠蔽することにした。

 警察当局が公表を控えていた背景には、シリア難民を含めた積極的な移民受け入れ政策への配慮があったためとみられる。

【移民ショック】集団暴行事件、スウェーデンでも 昨年8月 移民受け入れ政策への配慮から当局、発表控える(1/2ページ) - 産経ニュース

最初に書いたように、なのでこの論理には正しい部分もあるのです。ただでさえ燻っている難民への反発に更なる燃料を与えることになるのは、まず間違いないから。まぁバレちゃったし、その事で余計に炎上することになったんですけど。だからこそ、少なくともリベラルな民主主義社会では単純に正義や是非の問題以前に、情報隠蔽や操作って単純にデメリットが大きいんですよ。それがバレた時ただじゃ済まないから。一度始めたら騒動が風化する将来までやり通すしかない。
それって中国や北朝鮮なんかがやっている「社会秩序安定」を前提にした情報統制とどんだけ違うのか、というとやっぱりお察しですよね。善意があろうがなかろうが、利己的だろうと利他的だろうと、どちらの彼らも現実ではなく、その情報を統制することで「あるべき理想」を実現しようとしている。
香港銅鑼湾書店「失踪事件」の暗澹:日経ビジネスオンライン
それこそ中国のように、一度始めたらとことんまでやるような覚悟がないのに、それに手を出すなんてただただ悪手だよねぇと。



ともあれ、今回の件は、難民受け入れ派に多かれ少なかれ大義名分を与えることになるのは間違いない。まさに当局が隠蔽することを決めさせた懸念通りに。そしてその燃料は、皮肉にも彼らが「良かれと思って」やったことによって更なる可燃性を帯びることになった。行動に出すほどでもないと、内心の小さな怒りをただ自らの良識によって正しく抑え込んでいた小市民たちの時計の針を、今回の隠蔽騒動は確実に進ませることになった。
自らの不吉な終末予言を、その手で実現させつつある人たち。


いやぁ世の中ままなりませんよね。
がんばれヨーロッパ。