「最善の戦争よりも最悪な平和の方がマシ」だしね

by内村鑑三


CNN.co.jp : ロシア大統領、軍にシリアからの撤退を命令 - (1/2)
ロシア軍、シリアから撤収開始 和平協議の進展に期待 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでロシアが撤退したそうで。

(CNN) ロシアのプーチン大統領は14日、ロシア軍はシリアでの目的を果たしたとして、撤退するよう指示したことを明らかにした。
国営スプートニク通信によると、撤退は15日から始まる見通しだ。
プーチン氏は「国防省と軍全体に課された任務の目標は達成された。シリアからの軍撤退を明日始めるよう、国防相に命じる」と述べた。

CNN.co.jp : ロシア大統領、軍にシリアからの撤退を命令 - (1/2)

アメリカがアフガニスタンイラク等でやった「撤退」宣言とは大違い――文字通り「任務完了」でほぼ凱旋に近いのロシアさんちを見ると、まぁ笑ってしまうしかないお話ではありますよね。アメリカやヨーロッパは最早マトモな神経では戦争できないが、しかしロシア違う。
だって些細な事(民間人の犠牲や誤爆)や、後始末も気にしないから。


ここでひたすら皮肉なのは、上記のような現代の戦争に付随すると(欧米が考えている)人道的要因をまったく考慮しないロシアこそが、とにもかくにも戦争を終わらせ、そして決して最善とは言えないながらも平和を実現した、という点でしょう。
反露無罪な人たちを例外にして、しかしロシアのとにかく爆撃して敵は全員ぶっ殺せなベスプレデルな介入こそが主因となって、これまでただただ混沌で欧米はほとんど何もできなかったシリアに一応の平和を実現された、と言う所には概ね同意するんじゃないかと。


(少なくとも欧米=国際社会が考える所の)最悪の戦争によって、おそらく(こちらもイスラム国及びアサド存命という点では)最悪な平和を生み出したロシア。しかし、それでも、確かに前者より後者の方がずっとマシで、内村鑑三先生もこの結論にはニッコリでしょう。


イラク戦争の反省という名の自縄自縛からついに何もできなかったアメリカとヨーロッパと、ひたすら自己利益実現の為にシリア騒乱を一時的にせよ終結させたロシア。この構図は現代国際関係の重要な象徴の一つではないかと思います。
いやぁ世界の平和を守るのってたいへんですよね。


がんばれ人類。