ドイツの「ユニバァァス!」な経済観

特にエイプリルフールネタはなかった。


ポール・クルーグマン 『私が東京で言ったこと』:niconicoffee - ブロマガ
結構話題になったクルーグマン先生のたいへん面白いお話。『戦争』に代わる巨大財政支出が見当たらない、というのはまぁ確かに現代世界の根本の問題の一つなのでしょうね。戦争を半ば克服してしまった故の、社会停滞。
例えば少子高齢化問題なんかはインパクトはそれに等しいものがあると言われてたりするんですけど、こっちもまた上記で言及されている難民問題同様に、上手い「(巨額)支出の仕方」についての正解探しもやっぱり難しいし。


ともあれ、あまり本筋とは違う所で面白かったのはクルーグマン先生節がちょっと出かけなドイツ評の所でした。

クルーグマン教授) そうした主張をするのは非常に難しいでしょう。ドイツの場合、彼らはまったく別の知的宇宙 a different intellectual universe に住んでいるのですから、それについて話をするのは非常に難しい。

ポール・クルーグマン 『私が東京で言ったこと』:niconicoffee - ブロマガ

別の知的宇宙て。
対ナチス用概念型決戦兵器『オルド自由主義』 - maukitiの日記
この辺は前もちょっと日記書いたこともあって、非常によく解るお話でもあります。ドイツが頑なに手放そうとしない――どころかユーロプロジェクトを通じてヨーロッパ全体に広めようとしているオルド自由主義について。
ナチスという類稀な歴史的経緯と絡めて「特異」な経済観を持っていて、それは現代ドイツにおいても尚影響力を持っている。彼らはナチスという歴史を反省する為にこそ、そうした経済観を手放さないし、ところがそうした態度がナチス再来=メルケルドイツによる第四帝国という評判まで生み出しているのは、端から見ている分にはひたすら愉快なお話だよねぇと。


がんばれドイツ。