これからの「BL」の話をしよう

タイトルネタがやりたかっただけ。BL元ネタはカーラ大先生なので解る人は仲良くしてください。


なぜ、被災者に支援物資が届かないのか 県庁には大量の水と食料があった(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース
お、おう……。なんというか現代世界の縮図という感じで地獄感。これならいっそ寄付金は「給付金」のような形で銀行送金しちゃった方が楽かもしれないね。しかし現状のような現在進行な対応においてマネーはたいして役に立たないのだった。

「問題は、行政同士の意思疎通と道路状況です。これだけの大規模災害ははじめてで、意志疎通がうまくいかないこともある。うまくいったとしても、道路が寸断されているところが多いでしょ。どうしても、時間がかかるし、行き渡っていないところがでてきてしまう」

大規模な救助物資をどうさばくか。支援物資の受け入れ窓口の電話は、朝から鳴り止まない。この日も物資提供に訪れた、大手企業関係者が職員とやりとりをしていた。

なぜ、被災者に支援物資が届かないのか 県庁には大量の水と食料があった(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース

東日本大震災でも見た事例ではありますよね。支援物資は積み重なってもそれを適切に配分するだけの能力がない。悲しいことに、私たちの善意から生まれた集中的な援助が必ずしも効果的とは限らない。
兵站に弱い私たち。旧日本軍からの伝統だろうとか身も蓋もないこと言わない。
でもまぁロジスティクスという言葉があるように、それって決して一朝一夕で実現できるサービスじゃないわけですよね。むしろ現代企業においては、トヨタ然りアマゾン然り、そこを上手くやった企業こそが勝者となれた、とすら言うことも一理あったりする*1。緊急時のリカバーは更に平時にない経験が必要とされるわけで。
だからこそ災害対応においては『軍』に優位性があると言われるんですよね。まさに彼らが日夜研究しているのは平時(=通常の物流ルートが機能している)とは限らないロジスティクスだから。


こうしたお話をすると、まさに現状で多くの自治体から悲鳴があがっているように、危機対応においては「人手」こそが大正義であり、だからこそ余裕を持った=通常時には人員が余る位の公務員が必要なわけですよ。
――でも私たちの多くが公務員の数について普段何を言ってきたかというと、まぁ、お察しですよね。ニホンハコウムインノカズガー。


ともあれ、今回の件のように支援渋滞な事態を出来る限り減らすべきなのは言うまでもなく被災者の人たちの苦しみを緩和する為でもありますが、同時にまたそれを遠くから見る私たち自身の為でもあります。
私たちの善意は無償でも無限でもなく、多かれ少なかれそこに良いことをしたという気持ちの満足が伴っているわけで。それ自体は別に偽善などと非難される話ですらない。しかしこうして「無駄」になっていることがニュースとして流されると、当然気持ちは萎えていってしまうわけで。
逆説的に支援が上手くいけばいくほど「次の」善意も持ちやすいのだから。次こそこの知見を活かせるといいね。まぁそれってつまり今後地方社会をどうしていくのか、という事実上の撤退戦のお話でもあるんですけど。


がんばれ熊本。

*1:Keeping it under your hat - Schumpeter最近見た面白いお話としては、外部受注よりもいっそ全部自家内で賄った方が取引コストが安い、という原点回帰な研究もあったりするそうで。