むしろ不倫忌避という規範の復活の時代?

出産子育てにまつわる弱肉強食世界と共にやってくかもしれないもの。



TBSラジオ夜の顔、荻上チキ氏が“一夫二妻”生活! | スクープ速報 - 週刊文春WEB
【衝撃】荻上チキのLINE流出 / 愛人へのラブラブメッセージで不倫発覚か「すきすきだいすき」 | バズプラスニュース Buzz+
うーん、まぁ、そうね。某ベッキーさんの時にも書こうと思った不倫ネタで以下適当なお話。

「15年夏頃、友人関係であったAさんに好意を抱くようになり、『離婚が成立した場合には交際してほしい』と話をしました。その後、妻に自分の考えを伝えたうえで、離婚協議を進め、その過程で妻と別居、Aさんと同棲していったという流れです。

 妻とは一時は離婚協議を進めましたが、子どもと離れることが難しいと考えたため、現在は関係の修復を目指しています」

TBSラジオ夜の顔、荻上チキ氏が“一夫二妻”生活! | スクープ速報 - 週刊文春WEB

それでも子供を理由にしている辺り夫としてはまぁ誠実な人ではある、という感じかなぁと。


そもそも何故人間社会では一般に『不倫』が「ヨクナイ」こととされているのかって、元々人間――というかホモサピエンスという動物にとって子供を持つことが極めて重大な責任と負担があった、という点にあるわけですよ。
男性側からすれば自分の種じゃない子供を背負わされる可能性があるのは生物の本能としてどうしても避けたい事態であるし、逆に女性からすれば出産自体にも母体に多くの危険が伴い、そもそも他の動物と比べても圧倒的に無力な時期の長い赤ん坊を育てる負担はいくら二人が協力しようとひたすら重い。
ただでさえ過酷な自然環境の中で男女ペアの協力関係が破綻すると、まぁ地獄しか見えないわけで。だからこそ人間は進化の過程において、男女の絆・協力関係を長期的に維持していくために、セックスによる喜びあるいは嫉妬といった感情を発達させてきたのです。
かくして大多数の私たちは種の存続の為に「不倫は悪である」と社会の良識として、過去の時代から延々とその規範を再生産し続けている。
しかし一方で文化を「創る」と同時に「破る」のも人間の才能の一つでもあります。だからこそ一穴主義から浮気セックス大好きな人まで、やっぱり人間いろいろな人がいるわけで。


この辺は多かれ少なかれ現代社会にも通じる論理ではありますよね。現代世界であろうとやはりシングルマザーは不利な立場にあるのは間違いない。逆説的に男性一人で多数の妻とその子供を養うだけの(広義の)パワーを持つ人が不倫をするのは、別に文句を言われる筋合いではないのかもしれない。*1
荻上チキ氏の話から…「家族の多様さ」を突き詰めるなら「不倫」ってなんだろう、と。 - QUIET & COLORFUL PLACE- AT I, D.
その意味で言えばgryphon先生が思考実験するように、現代社会では人間の生物的制約から生まれた『不倫』というタブーは、最早時代遅れなのかもしれない、というのには一理あるんですよね。所謂「持つ者」であれば出産子育てにおいて、ただ夫婦間だけでない外部から多くのリソースを投入できるから。


ここで同じく思考実験として興味深いのは、過去の時代とは微妙に形を変えながらしかし同様に子育てのハードルの高さが叫ばれる現代日本のような社会だからこそ、むしろ『不倫』しない夫婦関係という規範が再び必要になっている面があるかもしれない、という点。負担が大きいからこそ、その協力関係を破壊しかねない行為は厳に慎むべきであると考えるのは合理的ではあるでしょう。ここにもやはり、投入できる外部からのリソースという意味で格差があって、そこがまた『不倫』の認識差に繋がっているのかなぁと。
だからこそ本邦で見られるような大衆報道として有名人の『不倫』にアレやコレやと盛り上がってるのかもしれない。


現代では、「持つ者」はともかくとして、「持たざる者(更にメタとして言えばその中でも結婚できる分恵まれた「持つ者」でもある)」たちにとって『不倫』とは再び致命的な悪行だと考える時代になっているのか?


みなさんはいかがお考えでしょうか?

*1:まぁそんな『富者』が大多数の普通の人びとから恨まれないなんてことありえないとは思いますけど。