やっぱりその国「らしい」政治家が選ばれるんだなぁ

一方我が国の昨今の顔ぶれは……とか言わない。


比大統領:やまぬ対米暴言 同盟関係後退も - 毎日新聞
そういえばドゥルテさんとかいう面白可笑しい人は、まだまだ元気だそうで。

 国際社会から人権問題を批判され、ドゥテルテ氏が物議を醸す発言をするたびに、外交、国防当局者が米国などとの関係修復を図ってきた。

 ところが、関係修復役だったヤサイ外相が15日、ワシントンでの講演で「我々はずっと『米国の茶色い弟』でいるわけではない」とドゥテルテ氏の口調を思わせる発言をし、米側を驚かせた。

 民間調査機関パルス・アジアが7月に実施した世論調査では、ドゥテルテ氏の支持率は91%に。国内で高い支持率を誇るドゥテルテ氏の「方針」が外交・国防当局にも浸透し始めたとの懸念も出ている。

比大統領:やまぬ対米暴言 同盟関係後退も - 毎日新聞

うーん、まぁ、そうね。でもフィリピンの歴史における「アメリカの役割」を考えると、こうした単純な反米的なポジションがフィリピンで採られる=受け入れられるというの理解できなくはありませんよね。私たち日本もアメリカとの関係・距離感についてまぁ色々複雑怪奇な葛藤があったりしますけども、フィリピンって概ねそれ以上にアメリカとの歴史が、良くも悪くも深いわけで。


植民地支配脱却の支援者から、戦争を経てそのまんまな宗主国、だったのが対日本連合、のはずがフィリピンを文字通り「失敗国家」にした独裁者の後援者、そして現在の対中包囲網まで。有名な米軍基地撤退(今は帰還フェーズ)なんかに代表されるような、反米と親米を行ったり来たりなフィリピンの歴史。前政権がまだあった少し前まで(もちろん当日記含む)米軍基地復活として結構大きな話題になっていたはずが、今じゃご覧の有様っていうね。
――いやまぁ本邦の某鳩山さん時代を思い出すと笑えないんですけど。
それでも、あの時の日本は一瞬の霹靂とも言うべき短い間でしかなかったものの、フィリピンの場合はあのドゥルテさんの背景には歴史的経緯=民意が確実に存在しているわけで。


個人的に、こうした米比の歴史を踏まえると、ドゥルテさんってそんな愉快な米比関係が生み出したある種の化身そのものだよなぁと思ったりします。そもそも彼の手段を選ばない対腐敗への戦いも、そうした歴史が生み出している面はあるしね。そしてその構図においてアメリカのポジションと言えば、そんな腐敗した政治家たちの後ろ盾であった時代が長かった。
そう考えると、対米という意味でも国内という意味でも、とっても現代フィリピンらしい政治指導者なのだろうなぁと。彼の暴言たちの背景にあるのは、ただ彼の愚かさだけではない。


まさにアメリカがその時代性の体現として子ブッシュさんやオバマさんを選んだように、あるいは日本が鳩山さんや安倍さんを選んだように。民主主義ってそんなものでしょっていうと身も蓋もありませんけど。


がんばれ民主主義。