信頼性のギャップを埋めてくれるもの

方向性としては、スノーデンさんやパナマ文書なんかへの賞賛に近いのかも。


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そういえばアメリカ大統領選の本番に直前にまた爆弾が投下されてたそうで。トランプさんが嬉しそうに言うウォーターゲートというよりは、中身はともかくとした政治的影響としてはペンタゴンペーパーかな。

連邦捜査局(FBI)のジェイムズ・コーミー長官は、大統領選の渦中に身を投じた。司法省の助言を無視し、民主党候補ヒラリー・クリントン氏のメール問題について新たに捜査すると、投開票日の11日前に公表したためだ。
この動きをクリントン氏は「前例がなく」、「非常に懸念される」ものだと呼んだ。そして複数の政府関係者は、選挙介入とみられかねない公職者の行動を禁止する法律に抵触すると指摘する。

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でもまぁなんというか、FBIも色々大変だよね。ヒラリーさんの追求を止めた時はトランプ陣営から叩かれ、再開したら再開したでこうしてヒラリーさん陣営から叩かれるっていう矛盾。だからこそ、たいていの先進民主主義国家では選挙なんかの微妙で敏感なタイミングでは候補者に関する捜査って躊躇っちゃうわけで。一方であんまり民主主義的じゃない国ではそうした捜査が反対陣営に対する「乱用悪用マジ最強」になってしまうわけですけど。



その意味で、今回の件が再証明しているのはアメリカにおける政府に対する根深い「信頼性のギャップ」という構図なのだろうなぁと。ウォーターゲートを頂点に、政府が国民を信用しているほどには国民が政府を信用できない。根深い政府不信。
トランプさんの台頭要因の少なくない部分はここにあるわけで。経済的にはともかくとして、政治的エスタブリッシュメントでない彼だからこそ、既存の政府とは別次元の政治を求む人たち=これまで軽視されてきた人たちの――エセかはともかくとして――救済者となっている。もちろんトランプさんがヒラリーさんの疑惑を使って必要以上に煽っている面はもちろんあるものの、しかしそこに政府のウソという「火の種」がないわけでは絶対にない。もちろんそれは今のオバマさんだけでなく、前の子ブッシュさん時代にもあったし、更に前にだって上記ベトナムの頃を頂点にあったわけですよ。
「政府は国民を欺いていた!」
ウィキリークスのスノーデンさん騒動から見られるように、いつだって真実暴露は蜜の味。お隣の韓国でも大炎上中ですね。
話はちょっとズレますけども、まさにアメリカの失敗例なんかを代表に、現代の民主主義国家で秘密工作や謀略といった手法のハードルが高いのはこういう理由があるからなんですよね。リターンの大小や失敗時のリスク云々というだけでなく、それが公にバレた時「政府が国民を欺いていた」と見られてしまうことのリスクがあまりにも大きすぎるようになってしまったから。



どちらにしてもこうして捜査方針が転換される構図は、上記のようなアメリカ政府への不信感という感情を、和らげるどころか更に根深くすることは確実でしょう。
トランプさんの選挙結果受け入れ云々について色々言われていますけども、こんな状況じゃ選挙結果確定後に二人が握手しても更に強くなった不信感が次へと持ち越されていくだけだよね。


希望はトランプ、の次に収まる言葉は一体何になってしまうんでしょうね?
がんばれアメリカ。