まわるまわるよ時代はまわる

やっぱり歴史は終わらなかったんだなぁ感。


【米政権交代】 トランプ氏、核軍拡が必要とツイート - BBCニュース
うーん、まぁ、そうね。まるまる8年間オバマさんのポジションがあったので、最近さっぱり見なくなったお話ではありますが、冷戦時代そうだったように何もトランプさんのオリジナルではなく「いつか来た道」なお話でもありますよね。核は危険なものである「だからこそ」我々はより安全を求めるために核戦力を増強すべきである。バカげたお話で、ともするとストレンジラヴ一歩手前な世界ではありますけど。

<解説> 新しい時代の夜明け――ローラ・ビッカー、ワシントン
これはオバマ大統領の現在の政策からの一大転換を意味する。
トランプ氏は自分の核政策について詳細を明らかにしていないが、過去にも核軍備強化を支持するとほのめかしてきた。

【米政権交代】 トランプ氏、核軍拡が必要とツイート - BBCニュース

政権交代によって変化していくアメリカの政策について。ぶっちゃけてしまえばこれこそ常態だったんですよね。
(無邪気な僕含む)多くの人たち『歴史が終わる』と思っていた冷戦が終わる前は、国家安全保障をめぐる諸問題(核戦略とか)はまぁ各大統領毎に色々と変遷していったわけですよ。そこに明確な一貫性なんてあんましなくて、むしろ大統領個人の政治的意見や、あるいはその時々の国際関係のイベントによって左右されてきた。
実際に子ブッシュさんからオバマさんの変化だってそのものでしょう。むしろ変化しないはずがない。


面白いのは、まさに冷戦時代のアメリカ各政権ことを念頭に置くと、こうした「核軍拡」ってある意味で軍事費用圧縮という面もあったりした点にあるんですよね。装備費用だけでなく人件費も途方もなく膨れ上がっていく通常兵力と比べれば、核兵器はまだ安価である。ぶっちゃければ自国民の命より核兵器の方が安い。冷戦初期のアメリカが欧州戦線ではソ連に通常兵力で負けている故に、核兵器を必要としたように。
いかにも経済人らしいトランプさんの核軍備強化発言ってやっぱりこうした背景もあるのだろうなぁと。



賢い――というか最低限の――頭を持った政治家であれば、軍事力を大きくするためには必然的にそれに見合うだけの経済力が必要になることを当然の大前提として知っているわけで。ここ十数年明確に取り組んできた現代中国のように。まぁそれを知ってか知らずかGDPの何十%をつぎ込むバカな子たちも結構いるんですけど。みみがいたいね。
まさに彼らは軍事的タカ派であるからこそ、本気で自国の経済成長を追い求める。
トランプさんはそのような文脈で登場し、ついでに本邦の安倍さんもそういう傾向があることはやっぱり否定できない。そしてそんな前者の性質よりも「後者であるからこそ」人びとがそうした政治家を求めている現代世界。


まぁなんというか、残念だけど歴史は終わりそうにないね。