それでも日本人は核兵器開発黙認を選びそう

自分たちの周囲にカオスが広がる位なら、核兵器が増えた方がマシだものね。


安倍内閣 支持する51% 支持しない30% NHK世論調査 | NHKニュース
タイトルにある政権支持率な数字ではなくて、北朝鮮核兵器についての世論調査が面白いなぁと。

アメリカのトランプ政権が、核実験やミサイル発射など挑発行為を繰り返す北朝鮮に対し、「すべての選択肢がテーブルの上にある」として、武力行使も排除しない姿勢を示していることについて、評価を聞いたところ、「大いに評価する」が9%、「ある程度評価する」が36%、「あまり評価しない」が33%、「まったく評価しない」が14%でした。

安倍内閣 支持する51% 支持しない30% NHK世論調査 | NHKニュース

身も蓋もない数字。北朝鮮核兵器排除に熱心なトランプ大統領に対して、そこまでしてやるほどの価値・重要性はない、と考えているのが日本人のほぼ半数であると。まぁその危惧は解らないモノではありませんよね。いざ戦争となったら、あるいは北朝鮮という国家が崩壊したら、多大な迷惑を被るのは近隣諸国である私たちなのだから、というのはひたすら正論でもあります。。
米国務長官「北朝鮮の体制保証」 韓国特使に伝達  :日本経済新聞
アメリカもそうした危惧は解っているのでしょう。反省すべき教訓が、イラクにシリアにリビアといっぱいあるのだし。少しだけアメリカも賢くなっているとは言える。
実際、そんな『カオス』の余波をモロに受けて社会不安を生んでいるのがヨーロッパの現状でもあります。北アフリカ及び中近東に国家権力の空白地帯を生んだために、現地秩序は致命的に崩壊し、その結果生まれたのは文字通り無法地帯=自然状態であったわけですよ。そしてそのカオスは必然の結果として国境を越え、連鎖反応の如く更に周囲へとカオスがカオスを生んでいく。彼らがまったくお手上げ状態なように、その解決は死ぬほどむずかしい。
あの大混乱を見て「あんな事態に巻き込まれる位なら放置していた方がマシだ」というのはまぁ否定できない真っ当な判断ではあるのでしょう。でもそれってつまり核兵器開発しようが放っておこうという意味でもあるんですけど。前回日記でも書いたように、だからこそそれを絶対に許せないアメリカと意識のギャップが生まれることになる。


世界で唯一核攻撃を受けた日本が「このような」解答をするというのは、別に皮肉というわけではなく、適切な現実認識でもあるのかもしれない。無理に核兵器を排除しようとしてカオスを生む位なら、幾ら非難や制裁をしても核兵器開発をやめない国を放置した方がマシだ、なんて。

北朝鮮がもし核開発に成功すれば、まもなく近隣国を脅かし始めるだろう。今は米国に対する抑止力だと説明しても次の段階では韓国や、おそらく日本や中国に経済支援などを要求し始める

(緊迫する世界) 米朝、偶発危機の恐れ ドイツ国際政治安全保障研究所 ハンス・ギュンター・ヒルペルト氏 :日本経済新聞

まぁいつかそれで痛い目を見るかもしれないし、ならないかもしれない。しかし、それでも、私たち日本人はこれまでも北朝鮮核兵器開発を事実上黙認する以外選択肢などなく、そしてこれからも出来ればそうしたいと思っている。



今のところ過ちは繰り返されていないからセーフなのだ。普段どれだけ「核なき世界」なんて言っていても、やっぱり現実の生活の方が大事だもんね。それはそれ、これはこれなのだ。
核兵器拡散によるカオスよりも、戦争に巻き込まれるあるいは近隣国家崩壊によるカオスの方がおそろしい私たち。


みなさんはいかがお考えでしょうか?