戦う君の歌を戦わないやつらが足を引っ張るだろう

説得ってむつかしいもんね。しかたないよね。


民主主義考 白井聡さんが語る安倍政治(上) 国家権力の腐敗と本質(白井聡) - 個人 - Yahoo!ニュース
民主主義考 白井聡さんが語る安倍政治(下) 目的化する国会軽視(白井聡) - 個人 - Yahoo!ニュース
芸人枠かな? と思ったら大学センセイ様ですごい。シャカイガクだから当然だろうとか言わない。本題ではない部分で個人的に面白かったのは、対北政策についてアメリカ追従を批判しておきながら、代替案についてはまったく触れていないという点かなぁと。「対米追従」言いたかっただけ感すごい。


ともあれ、おそらくこの記事の本題について。

■「愚民」の選択

しかし、何も為政者のみが悪いのではなく、このような状態を許容しているのは、究極的には国民大衆だ。昨年7月の参院選の際、神奈川新聞が実施したアンケート結果を見て私は衝撃を受けた。質問は、参院選で焦点となっている「3分の2」の意味を知っていますか−。100人に聞いたところ67人は「知らない」と回答したという。憲法改正を発議するためには「両院それぞれ3分の2以上の賛成」が必要という数字であり、今後安倍政権が進めたがっている改憲論議を踏まえれば、参院選の最も重要なテーマだったはずだ。

だがおよそ7割の有権者はそのことを認識していなかった。正論を言えば、こんな状況下で普通選挙をやっている事の方が間違っている。

かつて制限選挙が当たり前だった時代の普通選挙導入論に対する批判は、「判断力のない人々(愚民=貧乏人と女性)に選挙権を与えたら、ろくでもない政治家を選ぶので危険だ」というものだった。貧しい人や女性には判断力がないという考え方は間違っているが、しかし判断力がない人間に参政権を与えるのは不適切、という論理はもっともである。

民主主義考 白井聡さんが語る安倍政治(上) 国家権力の腐敗と本質(白井聡) - 個人 - Yahoo!ニュース

愚民とかマジで使う人久しぶりに見た気がする。まぁ普通選挙に絶望というか、単純に現実政治をするだけの『努力』ができなかった人、という感じかなぁと。それこそ象牙の塔たる光景であり、机上の空論でしかなかったのだと反知性主義風にいうと、まぁ至極御尤もで思わずうなずいてしまうお話ではあるんですけど。
自分がそうあって欲しいと望む政治的ポジション・イデオロギーがありながら、しかし有権者たちの態度を変えられなかったひと。
ハロー後知恵 - maukitiの日記
以前の日記で書いたお話でもありますが、自身の意見と違う人たちはもちろん、問題に無関心な相手を説得し味方に引き入れることもかなりハードルが高いわけですよ。それは単に理論の正しさだけでなく、根気よく会話を重ねるだけの忍耐や、そもそも相手との信頼関係すらまず必要であり、仲間を増やすのは簡単ではない。


よく言われるお話ではありますが、政治的多数派を作る上で重要なのは元々「同じ意見な人たちと話す」んじゃないんですよね。だってそれじゃ良くても現状維持にしかならないから。自分とは意見が違う人、そして何より興味のない人たちを興味が向くように話すことが重要でもある。
この人に限らず広大なネット空間でも、そのような政治的主張をする人たちは左右問わずSNS等々まぁいっぱいいらっしゃいますけども、勢いよく政治的主張を前面に出す人たち程まぁドン引きするような内輪の論理ばかりで、同じく左右問わずただただ自己満足の為にやっているのだなぁと生暖かい気持ちにはなります。もしかしたら本気なのかもしれませんけど、でもどう考えてもそれで本来説得すべき反対派はもちろん、日本における最大の勢力であろう無党派な一般の人たちを離れさせるばかりで無意味どころか逆効果でしょう。
結局、民主主義政治で勝つ為にはどれだけ「新しく」味方を増やすか、という点に尽きる。本当に真摯に活動している人であれば、それが例え遅々とした歩みでしかないと解っていても、間違いなくそうしている。まぁひたすら味方とだけ、身内とだけ話して気持ちよくなるのもいいかもしれない。そういう人たちはネットにもいっぱいいるしね。


そんな風に味方を増やすことが出来ないのならばせめて黙っていればいいのに。しかし地道な活動ができない上記の愉快な大学センセイ様のような人たちは、その熱心さ故にこうして暴走し、味方の背中を撃ってしまう。バカと笑えばいいのかそのレベルの低さに悲しめばいいのか、一体どんな顔をすればいいのやら。
(自分が考える)正義の為ならば手段を選ばない人たち。まぁそういう人たちにとって――しばしば指摘される一面の真理でもある――ひたすら迂遠な民主主義って好ましいモノではないのでしょう。自分の考えが間違っているのではない、自分の努力が足りないのではない、愚民どもがすべてわるいのだ。かくして彼らは『愚民たち』に必然の結果として敗北する。


いやぁわがくにが民主主義でほんとうによかったよね。