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『論文X』例外事例の生き証人

北朝鮮民共和国が現代世界において『特別な国』だと言うのは間違ってないかもしれない。


北朝鮮が弾道ミサイル発射、日本海に落下 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで北朝鮮がまたぶっぱしたそうで。一方でアメリカも空母の交代役も来るそうで、もうちょっとだけ続きそうな北朝鮮のミサイル騒動であります。
この現状を結果として見れば――「太陽」はもちろん「北風」としても――北朝鮮への『封じ込め政策』が失敗した、というオチになったのは面白い構図だなぁと。といっても別にそれが可能性が低い故に失敗するべくして失敗したわけではなくて、むしろ待つ側にきちんと忍耐さえあれば成功率が高い手法であったにもかかわらず、という点で面白いと思います。


一般に、何故「封じ込め政策」が有効かというと、まぁもちろん『武力』という使い方にそもそもロクなモノがないだろうというと身も蓋もありませんけども、その中でも比較的マトモで賢明な手法と認識されてきたからなわけですよね。マクロな国際関係から、ミクロな個人関係まで人間社会によくある「時間経過はすべてを解決する」という真理。下手に行動するよりは、ひたすら待ち続ければ上手い知恵が沸いてくるかもしれないし、なにより今の相手=バカな国家指導者が消え、次はもっとマトモで会話になる人物が出てくるかもしれない。
これは歴史を見ても成功率の高い対応だったわけですよ。中国の毛沢東が死ぬことで、エジプトのナセルが死ぬことで、ホメイニが死ぬことで、カストロが引退することで、やがてゴルバチョフが出てくるまで待つことで、結果としてその国家に変化をもたらした。外部からコストを払ってわざわざその『変化』を強要するくらいなら、そいつが死ぬ(あるいは失脚する)まで待てばいい。同国内で既に起きている惨事に目をつぶることができるなら、やはり最適解といってもいい方法ではありますよね。時間がすべてを解決する。
人類の最終戦争とほとんどの人が考えていたあの冷戦すら、本質的にはそうやって終わったのだから。



すべてはジョージ・ケナンの言う通りにすればいい。20世紀最高の外交官の一人の言葉を信じて。

いかなる手段によっても、明確で幸福な決着などがほとんど望めそうもない意見の違いの解消を、武力の試練に委ねるくらいなら、回りくどく腹立たしいほどゆっくりとしたものであっても、外交という装置がクレムリンを敗北させるまで、三十年は待ちたいと思う。

――北朝鮮もそうなる、はずだった。
サイコロを振って運を試すチャンスは幾度もあった。いつか身の丈に合わない壮大な核兵器開発プロジェクトを諦めるかもしれない。民衆に独裁者が倒されるかもしれない。世代交代による権力移譲に失敗するかもしれない。あるいはマトモな権力後継者が生まれるかもしれない。他の数々の国家指導者がそうだったように。




でもそうはならなかった。ならなかったんだよ、ジョージ。だから、この話はここから始まってしまうんだ。