次の大戦の足音はいま何デシベル?

悪の一大計画の存在か、それとも融和主義者たちとの共謀か。


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そういえばまたもやミサイルが日本を飛び越えていったそうで。
島田雅彦のツイッターが「大炎上」 「金正恩に小遣いやって日本を射程から外してもらう」 : J-CASTニュース
反応として面白かったのはこの辺かなぁ。本職の方に向かって言うのもアレですけども、いつもの四次元殺法コンビ先生のコピペでも張って終わってしまうお話ではありますけども。(二回目)。

PAC3に116億、Jアラートに92億を払うより、金正恩に小遣いやって懐柔し、日本を射程から外してもらう方が安上がりで確実なミサイル防衛になったりして。ロシアや中国はそれくらいの裏技を使っているだろう。

島田雅彦のツイッターが「大炎上」 「金正恩に小遣いやって日本を射程から外してもらう」 : J-CASTニュース

その発言の是非はともかくとして、日本において左右問わずかなりの多数派であろう「自分たちさえ良ければそれでいい」というある種とても合理的な『一国平和主義』な思考がよくわかるお話ではありますよね。海の向こうの誰が苦しんでいようとも、自分たちさえ平和と繁栄を満喫できれば、それでいいのだ。今回のようにそれこそ左側の人たちすら、自覚的か無意識かは別として、こういうことを言う人は少なくないわけだし。


自分たちが「過ちを繰り返しませぬ*1」から、よそで核兵器が増えても別にいいのだ。いやぁとってもリアルポリティクスな人だよね。




一方で、この「高価だ! けしからん!」という批判はまぁ概ね正論だとも思います。もう十年以上この危機と向かい合ってきたはずなのに、土壇場になって慌てて準備したら吹っ掛けられるのは当然の話ではあります。軍事費関連なんて特にそうですけども、長年掛けてちゃんと計画的な準備が必要な(広義の)『対策』をしてればもっと安く済んだ可能性は高い。まぁそんな歴史のたらればも、そもそも世論が許さなかっただろう、と簡単に予測できてしまいますけど。


ここで当たり前に難しいのは、私たちが過去の外交歴史を簡単に神の視点から俯瞰し語るようには、何が正しい情報かなんて絶対に解らないという点でしょう。もしかしたからこの方の言う「金正恩に小遣いやって懐柔」が正しいかもしれない。あるいはそれが『ミュンヘン会談』のようになる可能性だってそれなりにある。予め答えが分かっていれば帰納法の如くその場その場の正解を言うのは簡単かもしれないけれど、しかしそんなことは神ならぬ人の身では絶対不可能な領域であります。
そして、だからこそ、外交というのは無様な失敗の歴史ばかり目立ってしまう。


私たちは1930年代にヒトラーを見つめていた欧米諸国と同様に、金王朝の新王が綿密に練られたシナリオを持っているのか、それとも単に日米中韓の反応を見てその時々に日和見的に機会を窺っているのか、そんな基本的なポジションすら正しく解らないまま手探りで相手をしている。もちろん今回の人のように、「撃つにきまってる」「撃たないにきまってる」などと万が一のリスクを無視して自身の政治的イデオロギーや希望的観測に基づく答えを言ってみるのは簡単だけれども、その失敗時に失われるのは私たちの生命財産でもある。


かくして私たちは、いつだって現実という不完全情報なクソゲーで、ミサイルが飛んでくる霧の向こうを恐る恐る見つめていくしかない。


世界が平和でありますように。