21世紀の「(核なき)戦争と(核ある)平和」

東アジアの平和と安寧か、核なき世界への第一歩か。


トランプ米大統領、訪日 米国の決意強調 - BBCニュース
北朝鮮の核武装解除「唯一の方法」は地上軍侵攻=米統合参謀本部 - BBCニュース
ということでトランプさんが太平洋のこちら側にやってきたことで、否応なく色々と推測憶測が盛り上がる北朝鮮情勢であります。

「『北朝鮮核兵器開発計画の全要素について、完全な確信をもって位置を特定し、破壊する』、唯一の方法は、地上軍による侵攻です」と少将は答えた。
予想されるリスクには、米軍が「深く埋まっている地下施設」を無効化しようとする間に、北朝鮮核兵器で反撃する危険性も含まれるという。
開戦による犠牲者の規模は、軍事境界線から56キロにある韓国の首都ソウルがどの程度の攻撃を受けるか、そして米軍と同盟各国がどれだけ前もって北朝鮮による攻撃を察知していたかによるという。
統合参謀本部はさらに、北朝鮮が生物化学兵器を使用するのではないかと懸念を示した。北朝鮮化学兵器の放棄にこれまで合意していない。
北朝鮮は「(化学兵器を)備蓄していると思われる」と、デュモント少将は書いている。
「さらに詳細な内容を話すには、機密扱いの説明の場が最適です」と少将は付け加えた。
少将は書簡の冒頭で、統合参謀本部としては北朝鮮に対する軍事行動よりも経済的・外交的な解決を支持すると明示している。

北朝鮮の核武装解除「唯一の方法」は地上軍侵攻=米統合参謀本部 - BBCニュース

うーん、まぁ、そうね。基本的には開発が決定的になったクリントン政権以来ずっと続くアメリカ軍の模範解答ではありますよね。世界最強のアメリカ軍だが、第二次朝鮮戦争だけは被害マジでかいから勘弁な。そしてそんなアメリカ軍だけでなく、これ以上ないほど当事者である韓国は当然として、同じく副次的(目標)被害があるかもしれない私たち日本人の大多数も同様に、米朝戦争など勘弁してほしいと思っている。
故に「平和を愛し」「話のわかる(もちろん自分たちの都合も含む)」アメリカ大統領たちは、その危険な選択を棚上げしてきた。



ところがそうやって北朝鮮を放置を続けてきた結果として、現在こうして面白い――と言ってはほぼ当事者なのに冷笑が過ぎるかもしれない――ジレンマが生まれてしまっているわけですよね。結果として見れば、軍事的オプションを拒否してきた私たちはどうしようもなく北朝鮮核放棄の「経済的・外交的な解決」に失敗しており、且つ不幸なことにこれまでとは違う新しい手法も思いついていない。
ということは少なくとも「現状」ある選択肢としては、未だ二つしかテーブルの上に残っていない。

    • これまで通り戦争を避けつつ北朝鮮の核保有を防ぐための制裁をしつつも、事実上黙認する。
    • あるいは戦争を含む物理的な武力行使ステップへ進みながら北朝鮮の更なる核開発を阻止する。

非核か平和か。


『核なき世界』も大事だけれども、『東アジアの平和』も捨てられない。しかし現状の選択肢を見る限り一方を捨てなければ、もう一方の確立さえ危ういように見える。この危険な選択において、最も影響力がありそうな人たちの中に、トランプさんと安倍さんが居るのは、喜ぶべきか悲しむべきか。全てはトランプさんと安倍さんの手の中に。
「核なき平和」か「核ある戦争」だったら話は簡単だったのにね。
しかし、そうはならかった。これまでの歴代日本首相たち、歴代韓国大統領たち、そして主には歴代アメリカ大統領たちの不作為によって、私たちが海の向こうを見つめてきた北朝鮮問題は着実に状況悪化を続けてきている。つまりまぁそれってこの問題を重視した投票行動をしてこなかった私たち有権者の責任でもあるんですけど。アメリカ提供の『核の傘』もあるし――だからこそ革新的な核廃絶条約にコミットできない弊害もあるものの――、別に北朝鮮核兵器を持とうが「そこまで」日々の生活には大事ではなかったから仕方ないよね。憲法9条をどうこうする・しない方が大事だったから仕方ないよね。
そしてなにより、It's the economy, stupid!


――もちろん、言うまでもなく、このバカげた二者択一を乗り越えた先の「愚民どもに叡智を授けてやる」なThird Wayパターンもあるので、引き続きご応募お待ちしております。宛先は官邸かホワイトハウス、あるいは青瓦台まで。タイムリミットは短いのでご了承ご了承。


これまで通りの「核ある平和」か、イチかバチかの「非核への戦争」か。それとも両方か。
21世紀の戦争と平和について。


みなさんはいかがお考えでしょうか?