核の、核による、核のための、平和

被爆国の私たちとしては、喜べばいいのか悲しめばいいのか。どちらにしても見事と言うしかない。


【寄稿】歴史的な南北会談、恒久的な平和に結び付くか? - BBCニュース
ということで「歴史的」だそうで。この形容詞は過剰な使われ方をするパターンがしばしばだったりしますけども、しかし今回に関しては反論の余地のない歴史的っぷりであります。この後の展開が、成功しようが失敗しようが教科書に載るレベルでしょう。

27日に行われた韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の劇的な会談は、少なくとも両国が和解したというイメージと、韓国社会に気分の高揚を与えたという点では、実に明白な歴史的突破口を提示したと言える。

【寄稿】歴史的な南北会談、恒久的な平和に結び付くか? - BBCニュース

でもまぁ何故こうなったかについては話は簡単だと思うんですよね。
――つまるところ『核』のメドが立ったから、でしょう。
実際に戦力としてどれほどのレベルかは外野からは結局は予測するしかないものの、少なくとも北朝鮮側はそういう体で来ることは間違いない。であればこそ核とミサイルの実験停止も先んじて表明したわけで。このタイミングで対話の機運がやってきた理由はほとんど明白であります。いやまぁ二人の国家指導者の資質の問題、外交の天才であったり平和を愛する誠実な若き天才指導者、という面もあったりするのかもしれませんけど。


韓国(米国の『核の傘』)だけでなく、北朝鮮も同じように核を持ってこそ朝鮮半島分断は解決する。
少なくとも北朝鮮はそう信じてきたし、私たちが鼻で笑っていた――自国民の犠牲をまったく省みない投資と反体制派の処刑も辞さない強権体制によって――長年の努力が実を結んだことで実際にそうなりつつある。
「お互いに武装してこそ、対等な関係が築ける」
ライフル協会かな? 
まぁでも私たちのミクロな生活ですら感じることもある、人間社会の真理の一面ではありますよね。そうでなければいいように食い物にされるだけだというのは、弱肉強食な国際関係であればより強調される真実でもある。



まさに現在進行形の出来事として70年近く分断されていたはずの地域に、核が誕生することで平和がもたらされようとしていることについて。目の前の朝鮮半島で『核による平和』が実現されるかもしれない。いやぁ『核なき世界』を信じたい被爆国の私たちとしては、喜べばいいの悲しめばいいのか。


核(均衡)の、核(保有)による、核(兵器放棄)のための、平和。
みなさんはいかがお考えでしょうか?