キ〇ガイ認定というさえたやり方

さっすが〜、セーシンカイ様は話がわかるッ!



「原発推進派は心の病気」(香山リカ氏、2012)に、木村幹氏らがあらためて批判 - Togetter
うーん、オメガバカ。おわり。でもそれじゃ寂しいので以下適当なお話。

当時も大きな議論を呼び、https://togetter.com/li/748608 https://togetter.com/li/797856 などの議論を呼んだ香山リカ氏の発言。何かのきっかけで再びネット上で紹介され、当時は知らなかった人の目にも触れたようで、木村幹教授らもこれについて連続ツイートされていました。

「原発推進派は心の病気」(香山リカ氏、2012)に、木村幹氏らがあらためて批判 - Togetter

個人的に彼女の発言について、実際の患者への蔑視というよりは、むしろ『政治』と『精神病』の関係をとてもよく解っているなあと感心するお話ではあるんですよね。その意味で、さすが精神科医やな! と納得する程度には。
実際、こうした自身のポジションに対する反対派へのキ〇ガイ認定というのは現実政治としてはある意味でとても「合理的」ではあるんですよ。いや、効果的過ぎて禁忌ですらある。それはただの妄言と片づけられるわけではなくて、現実に効果的であった政治(統治)手法であるから。ソ連や中国を見れば解るように、だからこそ恐ろしいモノでもある。
頭のおかしい反対派は『収容病棟』にしまっちゃおうねー。





そもそも――とここまで書いたところで、以前この日記でトランプさんへの精神病認定ネタを書いたことを思い出しました。おじいちゃんこの話半年前にしたでしょ。今更ボツ日記にするのもなんなので以下引用。

そもそも何故こうした人格障害と結びつける手法が有効なのかというと、単純に役者不足や資質の問題を問う「だけ」にとどまらない点があるわけですよね。つまり、その対象となった人物そのものへの信頼性を低下させることで、社会的影響力を読めることができる。そしてもう一点は、そうして情緒不安定だとレッテルを張って追放すれば、将来的な抑止力にも繋がり、他の人びとへ「彼の真似をしてはいけない」とメッセージを送ることができる。

だからこそ、気に入らない政敵や活動家やジャーナリストや弁護士を人格障害と結びつけて攻撃するのは、それこそ全体主義な旧社会主義国家な政府たちが多用していた手法でもあったわけですよ。

彼ら彼女らはかわいそうなことに頭がおかしくなったから我々に反抗したのだ!

旧ソ連や中国など、反体制派を精神科病棟に隔離したり、だけでなく密室下では『治療』と称した弾圧を加えていた。そうした権威主義的な振る舞いと、この素晴らしき民主主義政治下での振る舞いにどれだけ差があるのかというと以下略。


ここでもう一つ重要なのは、こうした人格障害認定の背後にあるのは(自明の論理としてあるとされる)『絶対無謬な正義』に相手が反している、というメッセージなんですよね。それは絶対的な教義を信じる人たちゆえの論理的必然でもあるわけですよ。

「我々の常識・良識に従わないのは、情緒不安定か精神疾患を抱えているに違いない!」

そこには議論の余地などなく、異論や反論があるという前提すら存在しない。だから自動的に「相手は頭がイカれている」という結論にたどり着くことになる。絶対的な教義や権力構造を確信し、それに反対する人の存在自体がありえないという人たち。いやぁ、ザ・権威主義という感じだよね。

メディアの中心でヤツは人格障碍者だとさけぶ - maukitiの日記

まさに彼女はそこに絶対的真実・正義があると確信していて、だからこそそれに反する人たちは心の病気としか考えられないと述べている。反対意見が存在する、という前提すら存在しない。彼女のあのバカげた発言の背後にあるのは、ただ職業上の不誠実さというだけでなく、自身のイデオロギーが絶対無謬という確信でもある。
精神科医としては失格かもしれないけれど、絶対的服従を要求する独裁政権しぐさとしては王道過ぎるほどまっとうなやり方でしょう。
相手をキ〇ガイ認定することで発揮する政治的影響を解っていて使うなんて、さすが精神科医だぜ。


……あるいは本当にそうした認定がもたらしてきた恐怖政治の歴史について、ただただ無知なだけかもしれませんけど。


はたして彼女のそれは確信犯なのか、それとも確信犯(誤用)なのか。
みなさんはいかがお考えでしょうか?