「お父さんこの民主主義気持ち悪い……」

【大喜利】娘が心底嫌そうな顔で「お父さん、これ気持ち悪い…」と指さした光景とは!? - Togetter
ビッグウェーブだし一応乗っておかないとね。

きょうトランプ旋風やAfDやスウェーデン民主党を見ていた娘が心底嫌そうな顔で「お父さん、これ気持ち悪い…」と指さした光景。民主主義の失敗を異様に誇張されて描かれ、ひたすら西側文明批判の道具として扱われる気持ち悪さは想像できるし、それを子供の眼前に公然と並べる抑圧はほとんど暴力だよなと改めて思う。




『歴史の終わり』のフクヤマ氏、米国政治を一刀両断 保守・リベラル対立は「アイデンティティ闘争」だ(1/5) | JBpress(日本ビジネスプレス)
ということでタイトルで遊びましたけど、フクヤマ先生新著記念日記二回目。ほんとは昨日書くはずが、これまでも突発性としてはちょくちょくあった、うちのノートPCでwifi繋ごうとすると「DNSが見つからないお!」とか言い出し一日無駄にしてしまったせいです。flushdnsしてもgoogleのパブリックdnsサービス使ってもダメだったので、もしこれ以外の解決試行方法があったら識者もすけてー!!!(この日記の本題)


民主主義はエリートによるコントロールが必要」
 フクヤマ氏は、前述のワシントン・ポストとのインタビューでこう指摘している。

 「現状を改善のための特効薬はない。・・・インスティテューション(制度)はエリートによってコントロールされてきたという見解には賛成できない」

 「インターネットの登場でエリートはその影響力を失いつつある。民主主義というものは、おそらくある程度エリートがコントロールしなければ正常には機能しないと思う」

 「もっとも、果たしてそうなのか、今後の行方を見てみないと分からないが・・・」

 この記事の見出しは「Democracy Needs Elite」(民主主義はエリートを必要としている)である。

『歴史の終わり』のフクヤマ氏、米国政治を一刀両断 保守・リベラル対立は「アイデンティティ闘争」だ(1/5) | JBpress(日本ビジネスプレス)

うーん、まぁ、そうねえ。個人的にはあまり同意できませんけども、しかし特に本邦でも賛成する人は少なくなさそうですよね。それこそトランプさんを筆頭に――うちの安倍さんも同列に語る人も多いかもしれない――反移民のような極右(政策)政党の伸長というのは、欧米世界を揺るがしまくっている共通のトレンドでもあるわけだし。
独世論調査で極右政党の支持率が社会民主党超える、反移民運動後 | ロイター
スウェーデン総選挙、中道2派が拮抗 右派が躍進 - BBCニュース
トランプ大統領の支持率が不気味なほど安定しているのはなぜか | みずほ安井のHELP!アメリカ政治経済 | ダイヤモンド・オンライン
「この民主主義気持ち悪い……」と思ってしまう人たちが居るのも無理はない世界の現状。しかし残念それが現実なのだった。


ともあれ、嘆いて済むのはお父さんの娘だけなので、責任ある私たち大人としてはこの構図において最も考えなければいけないだろう問題は、この後こうした既存政党忌避の流れが「民主主義政治自体の機能不全」へと繋がるかどうかという点でしょう。
もしそうなってしまう可能性を現実のものとして恐れているならば、僕もフクヤマ先生の上記引用先のような危機感は概ね理解できます。
人類史に残る悲劇の多くが、社会の無秩序状態が生んできたことを考えれば、実際に少し前のイラクや現在進行形のシリアを見れば、例え強権独裁による秩序であっても無秩序になるよりはずっとマシだというのには頷くしかないお話でしょう。
――ただまぁそれってほとんどそのままロシアや中国式民主主義()の正当性を認めることにもなりかねないんですけど。社会秩序を乱しかねない野党は弾圧しよう。僕たち日本もこれからは中国に学ぶべきかもしれないね。


ここでもう一つ面白いのは、まさにそうした無秩序への対抗手段として「ある程度エリートがコントロール」しようとした民主主義の極致が、またもう一つの大悲劇であるナチやファシズム生み、そして大戦争へと突っ走っていったのがヨーロッパの「いつか来た道」でもある。無秩序状態になれば社会は崩壊するし、かといって秩序を強固にし過ぎても、かつてのナチやファシズムを思い出すまでもなく現代中国を見れば解るようにそれはそれで私たちの個人的生活に致命的問題が生まれるのは間違いない。
行き過ぎた無秩序と、行き過ぎた秩序構築。この間で上手いことバランスをとるには一体どうしたらいいのか。


インターネットの発達により、間違いなく新しいステージに進んだだろう現代民主主義に、はたして何らかの制限は必要なのか。
みなさんはいかがお考えでしょうか?