『核なき世界』に一番近い国?

さしずめ日本やアメリカは「『強盗』に一番近い国」かな!


南北首脳会談に韓国4財閥トップ同行 サムスンなど:朝日新聞デジタル
制裁抜け穴は論外としても、しかし再婚に向けた北朝鮮への持参金が徐々に吊り上がっている韓国さんちであります。

 韓国大統領府の任鍾翛秘書室長は16日、平壌で18日から開催される今年3回目の南北首脳会談に、韓国最大の財閥サムスングループの李在鎔副会長ら主要な四つの財閥のトップらが同行すると発表した。北朝鮮金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に、非核化を実現すれば、経済投資が確実に行われると示し、譲歩を引き出すねらいがあるとみられる。

南北首脳会談に韓国4財閥トップ同行 サムスンなど:朝日新聞デジタル

もちろん私たち日本にはない彼ら特有の「南北統一」等の思惑が作用している面はあるでしょう。しかしそれはそれとして、現状最も北朝鮮との『取引』に熱心なのが韓国であることは間違いない。そして少なくとも現状は、表向きは、小さいながらも偉大な一歩として前進している。「まちがい」をすることを恐れて何もできずに口しか動かさない私たちと違って、韓国ってすごいよね。
その取引によって得られる成果とは、つまるところ一部の私たち日本人が求めてやまない『核なき世界』でもある以上、応援しない理由はない。何しろここまで失敗し続けてきたんだから。


ここで面白く、そして改めて私たちのポジションについて考えさせられるのは、『核なき世界』への賛同の声から生まれる核放棄圧力=経済制裁について、北朝鮮側からすればその要求を「強盗」と呼んでいることだと思うんですよね。

 北朝鮮外務省の報道官は7日、朝鮮中央通信を通じて英文の声明を発表し、米国が「一方的で強盗のような非核化の要求だけを持ち出してきた」と非難した。

「米は強盗のよう」と北朝鮮が非難も、ポンぺオ氏は一蹴 - Bloomberg

まぁ確かに何の対価も無しに相手の財産を奪う行為について、そう呼ぶのも無理はないよね。以前も書いたお話ではありますが、北朝鮮に多大なリソース(それこそ文字通り北朝鮮人民たちの血と汗と涙)を払って開発した核兵器をただ捨てろと要求しているのだから。その「対価」を求めること自体は、特段おかしい理屈ではない。
――一方で上記記事でもポンペオさんが反論しているように、国連安全保障理事会決議を踏まえた政治的正当性を背景に持つ一方的要求が『強盗』であるとすれば、世界中が強盗に加担していることになる。私たち日本も同様に。


これまで何度も繰り返されてきた光景でもある。ザ・北風と太陽。


韓国は、誘拐犯・テロリストのような奴らの際限のない要求に屈しているだけだ、という身も蓋もない言い方もできる。でもその視点から言ったって、彼らが取引材料の核心(「核」問題だけにね!)をそう易々と手放すわけがないことは当然の理屈でもあるでしょう。
『核なき世界』を訴える私たちは「いいから手放せ!」と叫ぶだけに対して、少なくとも韓国は誠実な取引相手として「わかった、幾ら払えばいいんだ?」と聞いている。まぁもちろんそれだってただ利用されるだけという可能性は絶対に無視できない可能性でもあるんですけど。


もし私たちが『核なき世界』を本気で考えれば考えるほど、核兵器保有国に対しての選択オプションでもある、「強盗」か「持参金」かは重要な問題だと思うんですよね。
ところが、かのノーベル平和賞をとったオバマさんも、この難題には明確な答えを示してはくれなかった。故に私たちは自分たちで考え、試み、そして万一の失敗の責任を負わなければならない。


日本は北朝鮮に対してどういうアプローチをとるべきなのか。
これまでのように強盗のように振る舞うべきなのか?
それとも韓国のように持参金を手土産に?


みなさんはいかがお考えでしょうか?