「ホント...世界(赤文字で強調)て住みづらくなっちゃった...」

一方で100点中96点というマイナス4点もされている、ヒトラーアベによる事実上の一党独裁国家ジャパン。



遊戯王キャラが「独裁政権」発言で政権批判? 作者側インスタが弁明した内容 : J-CASTニュース
うーん、まぁ、そうねえ。作品を通して自身の政治哲学を語るのはまったく問題ないし、むしろそれこそフィクションの自然のあり方ではあるとは思うんですが、それをヘタクソにやってしまうと読者が醒めてしまうよね、という一般論は言える。

漫画やアニメ、ゲームなどで人気の「遊戯王」の作者高橋和希さんの制作スタジオ、スタジオダイスのインスタグラムとして知られる「studio_dice」アカウントで公開した、選挙に関係するイラストと文章の内容が注目を集め、賛否の声があがっている。

キャラクターが「日本て住みづらくなっちゃった」と発言している場面もあり、「政権批判」と受け止めた人からは、「遊戯に政治的な発言をさせないで欲しかったな」といった意見がネット上で出ている。一方、「何が悪いんだ?」と擁護する書き込みもある。このインスタでは該当投稿の翌日、「なにやらお騒がせしております。いろいろ意見を頂き、キャラクターに政治的表現をさせてしまった事、ファンの皆様に深くお詫び申し上げます」とのコメントを掲載した。

遊戯王キャラが「独裁政権」発言で政権批判? 作者側インスタが弁明した内容 : J-CASTニュース

さすがに超有名なだけあって作品自体は知っていますけども、作者の政治志向については浅学ながら詳しくないので、ただ「売国政権」だけだとガチ右翼からなのか反米左翼からそれを言っているのか判断つかないよね。
最近では日米同盟破棄なんかと併せて両者が一周回って隣同士にある空気もあったりするからどっちも一緒だろとか言わない。


ちなみにこの絵で面白いと思うのは、現状の安倍政権を独裁政権としながらも、しかしその対抗として「VOTE」しようとしているところだよね。その独裁政権って「VOTE」で倒せちゃうんだ。ならそれってもうそもそも独裁とは言えないのでは……『独裁』の定義こわれりゅ。
わずか一枚の画像で論理矛盾を表現しているなんて高度な騙し絵のようだよね。やっぱり売れっ子は違うなあ。芸術点高い、という意味ではよくできているのかもしれない。


ここでは日本が住みにくくなった理由として「経済的に」なのか、それとも「政治的に」なのかは明記されてはいないのでちょっと論点が解りにくいよね。


前者については消費税諸々あって概ね理解できますけども、後者についてならばちょっとアレかなあ。
よくあるダメな反政権議論に影響されててちょっとどうかと思います。それこそ安倍政権「ごとき」を独裁政権と言っていたら世界中にあるそれ以下の国々はどうなってしまうのかと。それこそ『独裁』の定義が壊れちゃいますよ。
まぁ体感であれば何でも好きに言えるジャップランド的広告戦略と身も蓋もありませんけど。(個人の体感です)




実際そこで「日本て~」と個別に言及するからダメなのであって、確かに「世界では」民主主義が後退しているのは確かなんですよ。
Freedom in the World 2019: Democracy in Retreat | Freedom House
例えば上記ブラックマジシャンガールのような「体感」ではなく、世界における民主主義と政治的自由度を継続的に調査し、(もちろん完璧ではないものの*1)ジャーナルよりも広く一般にアクセスしやすい基準である『フリーダムハウス』の評価でも直近である2019年の報告書において「13年連続で世界の政治的自由は後退している」と述べているわけだし。
リベラルな民主主義政治を愛する私たちにとって『世界』は確実に住みにくくなっている、というのはおそらく確実なトレンドであります。
それは中国の台頭という意味でもそうだし、民主主義陣営内部におけるアメリカのトランプ旋風やEUで広く見られる極右政党台頭という意味でも。
Japan | Freedom House
ちなみに、そうした世界における後退トレンドの中で日本の政治的自由度の評価はというと……100点中96点であります。世界で10本の指に入る位には、日本というのは自由だそうですよ。
満点ではなくマイナスされている部分は、メディアの自由度の低さと、マイノリティ保護が欠けている、という点であります。まぁこちらも理解できるかなあ。


世界で10番目なんて日本はおっくれってるー! それより上位のカナダやオーストラリアに移住しよう!
――いやあ独裁政権にNOを言えない日本も住みにくくなってしまったものだよね。これもアベセイケンのツケか。
アメリカ86点・イギリス93点・フランス90点・ドイツ94点・韓国83点・中国11点、その他100以上の諸々の国たちから目を逸らしながら)




ということで反知性主義的な個人の体感よりは、まだフリーダムハウスの評価の方を信用している僕からすると、やっぱり別に日本の政治的自由が阻害されているとはまったく思わないかなあ。
もちろんそれもこれもその根本には私たち有権者のvoteあってこそ、というのは否定できないわけで。
だから「投票しよう!」と呼びかけること自体はまったく問題ないし、むしろ積極的に賛同するところではあるんですよ。

「ホント...日本(赤文字で強調)て住みづらくなっちゃった...」

独裁政権=未来(未来は赤文字で強調)は暗黒次元(ダークディメンション)!」

「本当に今の売国政権で日本の未来は大丈夫かと思うわ!(がっかりの絵文字)(涙の絵文字)(目くりくり絵文字)ヤバイ??!!(嘆きの絵文字)アテム『決闘者のみんな!今こそ正義の一票スタンバイだぜ!!(グットの絵文字)』」

ところが、ありもしない「危機」を煽って人を動かしてしまう人たち。
それこそ両マジシャンの台詞は蛇足で「Let's Vote」だけでいいじゃないですか。それなのに自身の政治的イデオロギーを隠し切れずに要らない言葉を付け足してしまう人たち。
まぁ最近の香港デモでも、その数と盛り上がりだけを見て「香港(59点)の方が日本より進んでる!」という愉快な言説で日本の危機を煽る人たちが一杯いたから仕方ないよね。*2
そうした危機扇動の効果自体はやっぱり否定できませんけども。でもそれがバレた時のカウンターを考えたら、やっぱりうまい方法だとは絶対に言えないでしょう。実際今回の遊戯王ネタも批判が多いように見えるし。
それこそオオカミ少年の寓話なんてみんな知っているはずなのにね。




みんなだいすきブラックマジシャンガールも憂う、日本の政治的自由の度合いについて。
みなさんはいかがお考えでしょうか?

*1:よく批判されるものとしては、彼らの評価軸は「アメリカ的」自由や民主主義である、という点。故にそれはアメリカにとっての「自由の家」である。

*2:ちなみに香港こそここ数年来ずっと点を落としてきていて63→61→59、まさに「住みづらくなっちゃった」がそのまま文字通りに進行中の地域でもある。