いわんや政治家をや――なのか?

芸能事務所の圧力に弱いテレビの中の人たち、の意味するところとは。


吉本興業の宮迫会見、ジャニーズ事務所の圧力疑惑…。2つの騒動が浮き彫りにした芸能界に蔓延る問題とは | ハフポスト
ということで吉本さんちのアレな会見二連続があって大騒動な昨今であります。このおかげか、せいか、正直『選挙』の話題って埋もれていたなあ感はありますよね。そりゃまた史上最低レベルな投票率になっちゃいますわ。
民主主義政治の世界的トレンドでもある左右ポピュリズムな機運は徐々に姿を見せつつあるものの、この辺は未だ平和(ボケ)な日本というものを象徴している感はあります。もちろんそれは基本的には良いこととして。


ともあれ、個人的な感想としては、闇営業や反社云々というよりはやっぱりテレビでは芸能事務所って強いんだなあというのが一連の騒動を見ていての感想かなあと。

ジャニーズ事務所をめぐる圧力疑惑と、吉本芸人の闇営業問題。

芸能界を揺るがす2つの出来事は、芸能事務所をおもねるメディア側の「忖度」や、タレントと芸能事務所の間にある不均衡なパワーバランスなど、さまざまな問題を浮き彫りにした。

吉本興業の宮迫会見、ジャニーズ事務所の圧力疑惑…。2つの騒動が浮き彫りにした芸能界に蔓延る問題とは | ハフポスト

元SMAP3人の出演に圧力か ジャニーズ事務所に注意 公取委 | NHKニュース
先日ジャニーズさんの件でもありましたけども、ここで面白いというか興味深いのはつまり「圧力をかける側」があるということは、そのまま「圧力をうける側」という言いなりになって動く人たちが居る、ということでもあるわけでしょう。
「ジャニーズの疑いは吉本にも」北村弁護士、忖度せず称賛の声 “恫喝は脅迫行為”発言も|ニフティニュース
まぁぶっちゃければ、圧力に弱いテレビの中の人たち、っていうおそらくテレビだいすき日本人のほとんどが全員が薄々知っているお話なんですけど。
「事務所をやめてからテレビから消えた」
「圧力で降ろされた」
というのはまぁ実際の真偽はともかくとして、しかし暗黙の了解として公然の事実として語られてきたわけで。フィクションでも定番ネタでもあるわけだしねえ。


そのように昔から言われ続けてきたマスメディアの一角であるテレビが、マジで「吉本やジャニーズなどの大手事務所の圧力に弱かった」というのが解りやすい形で私たち視聴者にとっても解りやすく明らかに、というよりはむしろ「露わに」なったというのはとても健全で良いことなのではないでしょうか。



さて、その上で、しばしば民主主義制度である日本社会に欠けているとされる「メディアの自由度」について考えると色々と面白いことが見えてくるんじゃないかと思ってます。
彼らの「圧力の弱さ」って一体どれくらいなのか?

  • ①ただただテレビとは大手芸能事務所からの圧力「だけに弱い」という話なのか?
  • ②それとも政治家たちからの圧力にも同じように弱いのか?
  • ③あるいはテレビメディアにおいては政治家よりも芸能事務所への圧力が強いのか?


まぁ普通に考えればこうして「タレントへの圧力」「忖度」があることを思えば政治家版もあってもおかしくはないと考えるのはふつうだよね。
そして、こうして圧力に弱いことがそれを掛けている側からも明らかになっているテレビの『報道番組』とは一体どういう内実なの?



彼ら彼女らテレビの中の人の「圧力の弱さ」って一体どれくらいなんでしょうね。そして自浄作用するつもりはあるのか――と聞かれると、今回の件もこうして事務所側のゴタゴタが発端なあたりあまり期待できないと思ってしまうわけで。
タレントたちですらこうなってしまうということは、いわんや政治家をや、なのか?
自分たちがこんなにも「圧力に弱い」と自覚しているからこそ、普段「政府からの報道への圧力を~」云々と言っていたの?


「自由に報道できるテレビメディア」の現在位置について。語るに落ちてるとか言わない。
その意味では、今回の一連の騒動によるダメージって直接的な両芸能事務所だけでなく、間接的にはテレビ局そのものへも大きなダメージとなるのではないのかなあ。


みなさんはいかがお考えでしょうか?