女王とイギリス国民は不安よな。ボリス、動きます

大喜利ブームにちょっと乗りたかっただけのタイトルオチ日記。



ボリス・ジョンソン氏が英首相に就任、「10月31日にEUを離脱する」 - BBCニュース
【解説】 新首相は急いでいる ジョンソン英政権発足 - BBCニュース
ということでとうとうメイさんも辞めちゃったそうで。もう「メイのバカ!」の定番ネタが使えなくてさみしい。もう知らない!
そして次がこのボリスさんとはなあ。今にして思うと、離脱勝利が決まってからの華麗な逃走劇がここに繋がると思うと色々と感心してしまう所ではあります。

首相官邸前で報道陣を前にした13分間の声明で、ジョンソン氏はブレグジットは実現不可能だとする「悲観主義者」を批判し、国民投票から3年におよぶ優柔不断を終わらせようと訴えた。

「イギリスの失敗に賭けた人たちは、すっからかんになる。イギリスは民主主義への信頼を回復するからだ」

ボリス・ジョンソン氏が英首相に就任、「10月31日にEUを離脱する」 - BBCニュース

悲観主義は批判し楽観論を言うのは当時の勢いっぽさあってよろしいんじゃないでしょうか。まるで成長していないとも言えるんですけど。


今はずいぶんと遠く感じられる2016年国民投票前夜にあった対立軸の一つって、「離脱すればイギリスの未来は明るい!」「残留しなければイギリスの未来は暗い!」という戦いでもあったわけですよね。
栄光ある孤立』するイギリスへの楽観対悲観。
そこでその未来の明るさについてまさにこのボリスさんがフェイクニュースまがいの楽観論・明るさを提示していた。もちろん一方の残留側も結構なガバガバ理論を展開していたんですが。
だからボリスさんのこの声明は、ある意味で、一貫性があると言うことはできるんですよ。
ひたすら「明るい未来に就職希望!」と言い続けてきた離脱派の主張そのままに。


さて、実際はどうなるんでしょうね?
――と私たちは他人事として生暖かく見守っていけばよろしいのではないでしょうか。
まぁそうはいっても、世界でも「イギリスをヨーロッパ市場の足掛かり」としてきた国の筆頭が私たち日本でもあったりするので(故に自動車工場の閉鎖が結構なニュースになっていたりする)利害当事者なみなさんの心労は絶えないことでしょうけど。





ともあれ、まぁ基本的にはEU離脱はボリスさんががんばるしかないのはいいとして、ほんとうの」問題は「その後の」お話の方でしょう。
結局のところ、ここまで話がこじれているのってそのままイギリスの国内政治制度欠陥・疲弊でもあるわけで。2010年以降のハング・パーラメントの頻出は、保守党と労働党の二大政党制は最早終わっているようにしか見えないのに、しかしそれを前提にした選挙制度を続けてきたことによる制度疲労。日本は実現する前に潰えて幸運だったのか不運だったのか。
上記離脱派が掲げてきた「EUからの政治的独立」って、イギリス国内政治でも発言権が乏しい有権者たち、という構図とかなりの部分で重なってもいたわけですよ。
有権者の声が届かない政治的権利への不満として。


2011年の選挙制度改革(比例選挙導入)についての国民投票では失敗した。
では2016年の離脱投票を経た今では?


イギリス政治、そして世界に範としてあったイギリスの民主制度は一体この先どこへ向かうことになるのか。
神よ女王陛下を守り給え。