「中間層を沈黙させる程度の能力」を持つ彼女の真髄

小泉大臣に引き続き国連には能力者いっぱいだねえ。さすが世界レベルだぜ!


憎悪の個人攻撃、「激しさ増している」 気候変動訴えるトゥーンベリさんが反発 - BBCニュース
マララと真逆のグレタ・トゥーンベリが、人々の心をつかめる理由 | サム・ポトリッキオ | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
グレタさんネタが思ったより盛り上がっているそうで。
海外に限らず日本のネットでもちらほら見かけることは多くて、まぁ思ったよりもマジレスしちゃう人が多いのは、そのままイデオロギー分断な現代社会っぽい光景ではあるのかなあと。

トゥーンベリさんは26日、ソーシャルメディアに「ヘイター(憎悪をまき散らす人)が今まで以上に活発になっている」と投稿した。トゥーンベリさんによれば、ヘイターたちは気候危機について話す代わりに「私の見た目、服装、癖、他の人との違い」などを追いかけているという。

憎悪の個人攻撃、「激しさ増している」 気候変動訴えるトゥーンベリさんが反発 - BBCニュース

これって所謂『生存者バイアス』そのままですよね。結果として、この状況でも尚発言するのが、発言せずにいられなのがそういう人たちというだけ。
反リベラルなのか、熱狂的否定派なのか、あるいは敵の敵は味方とばかりに(普段は関心ないくせに)反トランプの空気を敏感に感じ取っては尻馬に乗ろうとする人たち。
ザ・顔真っ赤。
われわれは民度がひくすぎるので - maukitiの日記
まぁ民度が低いというと身も蓋もありませんけど。空気を読まないマジレスはともかく、彼女の見た目とか服とか癖とかをイジった個人攻撃してしまう時点で敗北宣言に等しいよね。よかった。日本のゲーム実況動画にしょーもないコメントするような有象無象な人たちだけが殊更に民度低いわけじゃなかったんだ。
世界の人類みんなその程度なんだなあって安心できるよね。ぼくたちもダメでいいんだ。だってにんげんだもの


別にこんなの言うまでもないことですけども、彼女の発言に賛成するにしろ反対するにしろ、穏健的消極的な大多数の中間層は(正しい大人の振る舞いとして)「子供を見守る」的振る舞いが最適解でもあるわけでしょう。
対策の必要性が(彼女ほどには強くないにしても)あると思っている人はもちろん、あるいは多少反感を持つ人であってすらも。
彼女のご意見にマジレスすることは幾らでもできるけど、しかし相手は16歳の子供だもん。そこを否定してまっては「大人」として失格でしょう。
――であればこそあのトランプさんですら「ハッピーな子供」と婉曲的なツイートにとどめているわけだし。


かくしてどちらの中間層も正しく沈黙し、過激な両極の人たちの声だけが響き渡ることになる。
その構図を「激しさが増している」「活発になっている」と評するのはちょっとマッチポンプ感あるよねえ。それってつまり他の声が相対的に沈黙しただけなのに。




グレタさんが今回やってみせたことの顛末ってつまりそういうことだと思うんですよね。それ以上の意味があるかというというと……うーん、まぁ、そうねえ。
邪推としては、気候変動否定派な人たちはむしろ彼女が出てきたことで喜ぶべきだと思うんですよね。よりちょろい相手が出てきたという意味で。


グレタ・トゥーンベリさんが持つ「中間層を黙らせる程度の能力」について。
彼女が否定しようのない大正義である『子供からのご意見』というモノを振りかざすとき、恥ずべき私たち大人たちの大部分は正しく沈黙する。
もちろんそこには、今回の件を好意的に伝えるニュースが多くあるようにメリットが存在する。
しかし一方で、そうやって沈黙させることは意図せぬ結果として両極端の意見だけが目立つようになる状況を生むことにもなる。
だからこの構図って実はトランプさんのような気候変動否定派にも利する構造でもあるんですよね。だってそこでは本来現実的な意見として表明されていたより穏健派の意見をも封殺してしまうことになるから。


つまり今の状況って、実はグレタさんの意見に不満な人たちも笑うべき状況でもある。

国連気候行動サミットに集まった要人たちの前で、グレタは感情的かつ情熱たっぷりに毒を吐いた。「あなたたちは私の夢、私の子供時代を空虚な言葉で盗んだ。よくもそんなことを」

マララと真逆のグレタ・トゥーンベリが、人々の心をつかめる理由 | サム・ポトリッキオ | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

何故なら科学者の主流意見だとされる真っ当な気候変動の主張に反論するよりも、彼女のような攻撃的で過激で危険で感情的な意見に反論する方がずっと簡単なんだから。
冷静()な「大人の意見」として。
激怒しているグレタさんを前面に押し出せば押し出すほど、気候変動対策を訴える人たちは感情的である、というレッテルが貼りやすくなる。
子供な彼女に対して敢えて煽っているかのようにも見えるトランプさんがやっていることって、つまりそういうことですよね。


彼女が過激なことを言えば言うほど喜ぶのはただそれに賛成する人たちだけでなく、狡猾な気候変動対策にネガティブな人たちでもある。
「子供を政治利用している!」と怒る人は少なくありませんけども、でもそれって諸刃の剣でもあるんですよ。


実際に、正しく気候変動の脅威を認識していながらも過激な対策には反対する圧倒的大多数の穏健派たちの声は、まさに彼女の過激な意見によって沈黙させられている。
やっぱり今の構図ってトランプさんのような気候変動否定派な人たちも高笑いしててもおかしくないって思うんですよね。




当日記はグレタ・トゥンベリさんを応援しています。