ワクチンを打たない親は公共心が足りない、ワクチンを打たないようにしようと反対運動する親は知能が足りない

十分に合理的な反ワクチン派は、ワクチン推進派と見分けがつかない。



SNSで拡散 危険あおる“不確かな医療情報”|けさのクローズアップ|NHKニュース おはよう日本
ということで今日も元気な反ワクチンのみなさんであります。
個人的にはまぁ大概の愚行に関しては、個人的自由の裁量の範囲なので概ねどうでもいいのでとやかく言う気はないんですが、このワクチン問題だとちょっとそういうわけにはいかないよねえ。だってワクチンって、何も個人の発病云々ではなく社会の全体の生活環境に関わってくるから。
みんなでうてば、みんなかからない。
話は簡単だよね。
一人で勝手に死ぬなら問題ない。しかしそのビョーキが伝染することで社会全体を巻き込む可能性があるとなっては、善き市民としては無視していられない。
――だからこそ、個人の問題では済まなくなるからこそ、『国家』がこうして前面にでてくることになるわけでしょう。まぁその国家(しばしばこの文脈では『与党』と同義となる)への信頼性が元々低いことがまた問題をめんどくさくしてしまうこともあるんですけど。
ついでに本邦でも見られるようにそうした政治家自身すらも「ワクチン反対」ムーヴを見せたりしてカオスな状況になったりするんですけど。


ただ、だからこそこのワクチンを取り巻く問題って『反知性主義』『合成の誤謬』といった人間社会あるあるの面白おかしい光景でもある故に、ちょくちょくこの日記でもおいしいネタにしまうんですけど。

自分の子どもに予防接種を受けさせるかどうか、迷ったことのある人もいるのではないでしょうか。
国は、風疹や百日せきなど、罹患(りかん)や重症化を防ぐワクチン接種を推奨していますが、最近、接種をためらう人がいて問題となっています。
背景にあるのは、SNSなどで拡散している「根拠のない危険」を過剰にあおる情報の拡散です

SNSで拡散 危険あおる“不確かな医療情報”|けさのクローズアップ|NHKニュース おはよう日本

実際、自分が掛かっていないのになぜ敢えて危険性のあるワクチンを??? という素朴な疑問が生まれること自体は否定できないよね。ザ・反知性主義
そこから一歩進めば、そもそも「みんなワクチンを打っているから」という答えに辿りつくのは難しくないんですけど。まぁその構図自体を否定してしまったらもうお手上げです。
それだとじゃあそもそもワクチンの存在意義とは一体……となってここから陰謀論的に製薬業界の政治癒着という所いってしまうのも自然の流れなのかなあ。それだと何も効果のないワクチンを接種させることで経済を回しているってことになるんですけど。
ちょっとケインズっぽくて面白いよね。つまり反ワクチンは古典的ケインズ主義者だったのか!?




ともあれ、一方で、確かに反ワクチン派たちが訴える「副反応の危険性」というのはその通りなんですよ。
その確率がいくら極小であろうと「当たり」を引いてしまう可能性は確かにある。そこを否定するのはフェアではないよね。
故に悪意を以って言えばそれは――このトレンド大爆発の最初の引き金にもなった1982年アメリカで生まれた――『ワクチンルーレット』でもある。


だからその意味で言えば「自分はワクチン接種しない」という自分勝手さは、ある意味で合理的ではあるんですよ。そこで他者から伝染されるよりも副反応の危険性が高いと冷静にリスクを勘案できているのであれば。公共心をかなぐり捨てたフリーライダーな振る舞いとして。
――反ワクチン派はただばかなわけじゃない。
まぁそうした人たちが増えていけば必然的に崩壊してしまうやり方ではありますけど。ザ・合成の誤謬


だからその為には当然「接種しないままでも安全である」という生活環境を維持していく必要がある。自分がワクチンを受けないのであれば、周りにはより一層の徹底したワクチン接種を求めることがリスクの最小化に繋がるわけで。
それなのに「ワクチンをやめよう」と何故か仲間を増やしてしまう行為に走ってしまう人たち。
――やっぱり反ワクチン派(少なくともその一部は)はばかだった。


ということで、結局、反ワクチンな人たちがただ邪悪というだけでなく、ドラえもん風に言えば「じつにばかだなあ」扱いされるのは、受けていない・受けさせていないそれ自体じゃないんですよね。
その対応策が根本的に間違っている、どころか安全安心とは真逆な行動をしているから。
反ワクチンな人たちが邪悪と非難されるだけでなく、バカにされてしまう根本的な理由はここにある。


本当に自分がワクチンを拒否することのメリットを最大にしたいのであれば「自分だけは打たないまま他の人にはより打たせる」という選択になるはずなんですよ。
そうすれば自分がワクチンルーレットという副反応ガチャを回避できる一方で、しかし他者から伝染される可能性も極小にできるから。
もちろんその身勝手さは露見すれば社会のフリーライダーだと非難されることは免れませんけど、でも実際その通りなのだからしかたないよね。

東京オリンピックパラリンピックに向けても、国は選手が風疹などに感染しないよう、大会関係者は無料でワクチンを受けられるよう対策を打ち出しました。
中には、体質や病気などでワクチンを接種できない人もいて、まわりの人が接種することでウイルスの流行を防ぎ、そうした人も感染症から守ることができるとされています。

SNSで拡散 危険あおる“不確かな医療情報”|けさのクローズアップ|NHKニュース おはよう日本

ワクチンを自分が受けていない人であるほど、むしろまわりの人に接種させることのリターンが大きくなる。
それは受けている人よりもずっと大きなリターンであるはずでしょう。
それなのに「みんなもワクチンに反対しよう!!」としてしまうおばかな人たち。
そんなことをしてしまったら、ワクチンを打っていない自分たち子供たちの危険性がより増してしまうだけじゃないですか。
長期的な自殺に等しい所業であります。上記フリーライダーならば自分の評判が傷つくだけなのに、こちらでは自分の身体まで危険に晒してしまっている。


だから本当に賢く狡猾な反ワクチンな人というのは、自分だけはこっそり打たないまま「みんなも社会のためにワクチンを打とうね^^v」と素知らぬ顔でフリーライダーしているはずなんですよ。
そうすれば自分が打たないことによる副作用のリスクを回避しつつ、そして他者から伝染されるリスクも最小にできるから。


つまり、高度に進んだ反ワクチン派は、ワクチン接種推進派と見分けがつかない。
ところが現実の光景といえば、まぁご覧の有様であります。反ワクチンな人たちの矛盾した行動について。



「みんなも社会のためにワクチンを打とうね^^v」