無限の(生産力を持つ社会の)住人に私はなりたい

フリーランチな時代まであと何マイル?


僕が考える世界を平和にする方法|Yusaku Maezawa 前澤友作|note
1000億記帳の人だ! ようつべで見た! 
――の余波なのか一年前の日記が観測範囲に改めて流れてきたので。
こんなことを書いていた人が一年後1000億記帳やってみた系Youtuberになってるのはほんと面白いよね。


へいわのことをかんがえるなんて、さすがのぶれすおぶりーじゅがわかっているひとだなあ。
ノブレスオブリージュ、100億円で世界を変える、うっ、頭が……あの作品内でのクッソダサい使い方でこの日本語での印象って致命的になったと今でも思ってます。もう恥ずかしくて使えない。
まぁあのアニメの基準(1000億あれば日本を変えられる)で言うと、前澤さんのお財布の重さなら『世界』はともかく――日本を変えられる金額は余裕で持ってそうなので是非がんばってほしいよね。
だって『東のエデン』でそう言ってたもん! 平和にするためにミサイルぶっぱなそう!




ともあれ、心ある人ならば誰しも一度は考えたことがあるだろう。平和構築の手順について。

さて、お金がなくなった世界を実際に想像してみましょう。

ある日、世界から突然お金が消えます。

全ての金融取引が停止され、人々や企業の口座残高が0になります。どんなに貯蓄があろうが、どんなに借金があろうが、全てチャラです。残るものは、今までの人間関係や信用です。

同時に全ての商品やサービスも無料になります。

僕が考える世界を平和にする方法|Yusaku Maezawa 前澤友作|note

アイエエエ!! ムリョウ!? ムリョウナンデ!?


「お金がなくなった世界」→「全ての商品やサービスが無料」の飛躍がすごい。これが成功者ってヤツか。
「同時」って、その「同時」という瞬間に、一体何があったんですか。
別にお金の価値がゼロになったって――というかそれ自体はまさに現存するほとんど全ての通貨が『信用貨幣制度』である以上常に想定されてきた事態でもある――そのまま商品やサービスの価値がゼロになるわけでは絶対にないよね。
ただ現代社会においてモノやサービスの価値を計ってきた基準が、数字として見えなくなるっていうだけでしょう。
おそらく、そうなれば実際にハイパーインフレや国家政府崩壊などが起きた社会で歴史上に見られてきたように――別の通貨(たいていはドル)が新たな価値基準となるか、そうした代用される通貨さえないのであれば古典的物々交換、しばしば見られたのはタバコや銃弾やガソリンあるいは『性』という形で、その商品やサービスの対価が支払われることになる。


まぁその無視するには致命的に重要すぎる部分を、ただただ「同時に」という魔法の言葉で突破するのであれば、確かにそれはそれである種の「恒久平和」の一歩だという思想は、それなりに説得力のあり続けてきたお話だと僕も思うんですよね。完全に同意するかはともかくとして。
これからはフリーランチの時代や! あの作品なんてほとんどそのまま*1だよね。
少なくとも現実の統計数字としても、豊かな先進国と貧しい発展途上国のそれを比較すれば、物質面で私たちが豊かになることがその社会内部の暴力の減少(根絶ではないものの)に繋がることは間違いなわけだし。


ということで、この前澤さんの書き方だとむしろ必要なのは「お金が無くなる」ことじゃなくて、商品とサービスが無料になることこそが重要でしょう。
商品が無料=無価値になるほど溢れればお金が要らなくなるというのは一応の説得力があるものの、その逆ではまず成立しない。
――というかおそらくお金を無くすことよりもそちらのハードルの方が高い。
だったら初めからそう書いておけばいいのに、何で「お金がなくなれば」と書いたのかそれが気になるかなあ。
結論ありきだったのか、それとも僕には何か読めない行間があったりするのか、あるいは既に証明済みのアイディアがあるので余白の狭いここでわざわざ語るまでもないとカットしたのか。


このシンギュラリティを越えるかのような次元のレベルで「全ての商品やサービスも無料に」できるだけの無限の生産力を私たちが持つことができさえすれば。
大量虐殺と大規模な環境破壊「エコサイド」を同レベルの国際犯罪とみなすべきという主張 - GIGAZINE
しかし一方で、現代世界というのはみんな大好き(要出典)ガンダムで教えてきてくれたように「地球がもたん時が来ているのだ!」でもあるわけですよ。
飛び恥だ! 贅沢は敵だ! 若者の未来を返せ!
現実に十億を超える中国国民やインド国民が、もし、先進国並みの暮らしを望み、それを実践したら地球の資源と環境は一体どうなってしまうの?
まぁもちろん技術特異点の突破は気候変動・環境問題すらも超越できる、と楽観すれば問題ないということはできますけども。そこまでやってしまうと社会変革というよりはもう完全にSFな領域になってしまう気が。
まぁ今更か。


前澤さんが考える世界を平和にする方法である「世の中からお金をなくす」について。
――僕はそれよりも無限の生産力で「同時に全ての商品やサービスも無料に」すればいいと思うなあ。それこそお金持ちに頑張って欲しいよね。はやく自己進化を遂げるAIが生まれて技術特異点越えちゃえばいいのに。
フリーランチな時代こそ、世界を平和にする方法であると僕は思うから。
それが人類全体の未来に資するモノなのかはまた別問題だとは思ってますけど。
前澤さんはああいってますけども、大抵の人間はヒマになるとロクなことをしない、っていう自省及び歴史的教訓もあったりするわけなので。


平和を愛してやまないみなさんはいかがお考えでしょうか?

*1:ネタバレ:   月面基地で暮らす研究者たちが宇宙人的な何かに改造されて、生老病死を超越した不老不死な存在に