ミサイルの、ミサイルによる、ミサイルのための平和

平和的状態とは何か?(哲学)


イラン 米軍に弾道ミサイル 革命防衛隊“司令官殺害への報復” | NHKニュース
ということで年始の爆殺から早速反撃第一波が。

イランの最高指導者ハメネイ師は8日、首都テヘランで演説し、このなかで「昨夜はアメリカに平手打ちを食らわせた」と述べ、アメリカに一撃を与えたと主張しました。

そして「今回の軍事行動では十分ではなく、この地域におけるアメリカの存在を消し去ることが重要だ」として、アメリカ軍を中東地域から撤退させる必要があると訴えました。

ハメネイ師直轄の革命防衛隊は「アメリカがさらなる挑発行為をとれば、一層激しく破壊的な報復に直面することになる」として、反撃をけん制する一方、ザリーフ外相は、ツイッターで緊張のさらなる激化や戦争は望まないという考えも示しています。

アメリカのトランプ大統領は、攻撃のあとツイッターに「すべて順調だ。被害の状況を確認している。今のところ非常によい」と投稿して、現段階で大きな被害は出ていないという認識を示し、8日朝、日本時間の8日夜にも何らかの声明を出すとしていて、その内容に高い関心が集まっています。

イラン 米軍に弾道ミサイル 革命防衛隊“司令官殺害への報復” | NHKニュース

でも思ったより被害軽微で、当初予定されていたトランプさんの演説も中止になる位には何事もなかったそうで。
All is well!
偶発的か、意図的か、まぁ最悪の中でもかなりマシな未来に着地(報復ミサイルだけに)した構図には見えますよね。
やった方も、やられた方も概ね満足しているように見える。
イランは大敵アメリカにこうして果敢にも明示的に報復してみせたし、一方でアメリカとして相手のテロ工作司令官を爆殺した報復攻撃の被害としては実際の被害は極小で住んでいる。
プロレスというと身も蓋もありませんけど。
しかしだからこそ、これは現代民主主義政治における典型的光景でもある。
その正しいレベルの応答と応酬こそが、会場(国内政治)の盛り上がりを支えるカギでもあると。しかもお互いに国内に色々問題があるのだから尚更。
いやあどちらもwinwinなきもちになれる『戦争』ってすばらしいよね。コレは実質『平和』と呼んでもいいかもしれない。
正しい戦争状態よりも、偽りの平和状態のほうがマシだしね。トランプに感謝だな。




まぁその意味で言うと、きちんと打って響いてくれるイランはトランプさんにとって組みやすいというか、挑発し甲斐がある相手ではあるのでしょう。
それこそいつまでも店を出発してくれない北朝鮮とは違って、こちらが打てば打っただけ響き返してくれる相手。
ただアメリカの圧力に屈するだけではこうはならない好敵手として。


もちろんそこでは『不測の事態』が起きる可能性は常にあるし――というか今回の件だって実質的には「偶々」死者ゼロで済んだわけだし――それこそ相手の対応をコントロールし損ねる・意図を読み間違うことこそが、いつだって歴史上の外交的大事件を引き起こしてきたとも言えるんですけど。


まるでプロレスの技の応酬のように、互いに相手へメッセージを送りながら観客を意識した見世物を繰り広げる人たち。
個人的にはここまで見る限り、トランプ的手法の成功事例がまた一つ、というお話かなあ。
偶然か悪運か、その成功体験は彼によってきっとまた似たような事態を招くことにもなるんでしょうけど。


トランプによる平和()的光景ががまた一つ。
みなさんはいかがお考えでしょうか?