韓国ちゃんは現状打破したい

しかし一方で「アメリカちゃんは現状維持したい」なすれ違い。




韓国、米大使の口ひげが物議 日本の朝鮮総督を想起 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでハリスさんのチョビ口髭騒動もあって、以前から続く不協和音な状況がまたもや盛り上がっている米韓関係だそうで。
はたして今後彼らの関係はどうなっていくのか、というのは私たち日本も絶対に無関係ではいられない以上、ただ嫌韓云々な感情論ではない冷静な関心は持っていくべきなのでしょうね。
日本にとっての韓国も、韓国にとっての日本も、悲しいかなお互い無視するには近すぎるしお互いに重要過ぎる。
韓国が米国を無視して「レッドチーム」入り間近?元駐韓大使が解説 | 元駐韓大使・武藤正敏の「韓国ウォッチ」 | ダイヤモンド・オンライン
ただ、その意味でいうと、(これまで何度か当日記でも使ってきたものの)あまり使いたくない言葉でもある「すわレッドチーム入りか!?!?」、というのはちょっとアレだなあと。

 韓国は米国の理解を得ていると言い張っているが、米国の説明と食い違っており、米国の意向に反する動きを続けている。韓国は自説を言い張り、思うがままに突き進もうとしている。これは韓国が、米国よりも北朝鮮との関係重視に、より一層大きく舵を切ったことの証左でもある。

 文在寅政権は、これまで北朝鮮の非難や挑発にもかかわらず、北朝鮮との融和に腐心してきた。再三に渡って南北の協力事業や交流の必要性に言及し、人道支援も行ってきた。

 しかしながら、北朝鮮は韓国に対して取ってきた厳しい姿勢を改めようとはしなかった。そこで文在寅政権は北朝鮮が一向に振り向かない要因を分析し、韓国が米国の意向を斟酌し、南北協力に躊躇していることが北朝鮮の反発を呼んでいると判断したのではないだろうか。北朝鮮の韓国への反発を和らげ、南北関係を立て直すためには、米国の意向を無視して、南北協力事業を推進していく以外ないと判断した可能性が、ここ最近の動きから分析できる。ついに、韓国が米国離れへ向けて動き出したということだろう。

韓国が米国を無視して「レッドチーム」入り間近?元駐韓大使が解説 | 元駐韓大使・武藤正敏の「韓国ウォッチ」 | ダイヤモンド・オンライン

韓国の親北朝鮮への傾斜(それ自体は間違いない)と、かといってそれが親中国にまで行くかどうかは別問題でしょう。
この辺のお話についてはレッドチーム云々よりは、ただただ韓国が目指したい目標・場所が私たちのソレとは違う、というだけなんだと思うんですよね。


当たり前の話ではありますけども、私たち日本も、アメリカも、韓国も、中国も、そして北朝鮮も、それぞれに国家として(民主主義な私たちとしては≒で国内的の主流世論として)別々の目指すべき目的・理想像があるわけで。
そもそもそこが同じだと考えること自体がありえない大前提でもあるわけでしょう。
誰もが自分たちと同じように考えるだろうなんて確信は、ぶっちゃけ傲慢すぎるよね。
私たち日本としては一般に戦争に巻き込まれない『平和状態』な現状維持こそをその大目標に掲げていますけども、しかしそれが全世界の万人に受け入れられる理屈かというと、悲しいかなそうではないわけでしょう。
――戦争をしてでも、あるいは戦争を脅迫材料に使ってでも、自分たちの目的を達成したいという国家は確実に存在している。
それは言わずもがなのアフガニスタンイラクで見せたアメリカの振る舞いであるし、ウクライナやシリアで見せたロシアの振る舞いであるし、そして台湾問題で武力攻撃オプションを常に「公的な立場として」明らかにしている中国の振る舞いでもある。



かくしてまた別の目標を持つ韓国というのは、アメリカからも日本からも中国からも等しく「自主独立」した韓国でありたい、という理想的状態を目指しているというだけ。
南北協力巡る米大使の発言に警告 「非常に不適切」=韓国大統領府 | 聯合ニュース
故に韓国は、アメリカの上から目線に反発する、という構図が生まれると。
まぁ「自主」それ自体は、どれだけ重要かという問題はさて置き、当然私たち日本にも理解できる外交政策でしょう。それこそ「横暴なアメリカ!」という声は本邦では右も左も少なくないわけだし。

【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)は17日、米国のハリス駐韓大使が韓国人の北朝鮮への個人旅行は米国との協議が必要と言及したことについて「非常に不適切」との立場を明らかにした。

南北協力巡る米大使の発言に警告 「非常に不適切」=韓国大統領府 | 聯合ニュース

そしてその上で、誰からも文句が付けられない=付けるべきではない、民族的悲願としての南北統一の推進であると。
そうした彼らの悲願を「レッドチーム入り」とするのはちょっと扇動的すぎるよね。




もちろんその実行に動く今というタイミングが国際情勢として適切なのかどうか、あるいはそもそもその目的にそこまでの価値があるか、というのは別問題ですけれども。
ミクロな私たちですら、当事者でない他者の本気の・決死の行動について「コイツまともじゃない」と思ってしまうのは別に不思議じゃないように、まぁ当事者でない外野から解らない情熱ではあるでしょう。。
まさに北朝鮮がそうしているように、自分たちの目的実現の為には核兵器開発・使用だって辞さない、という国家だってあるのだから。
私たち日本が掲げる憲法九条だって、少なくとも世界の一部からはクレイジーと思われていても不思議じゃないし、実際そう思われているのは間違いないだろうし。
かといって当事者である私たちの抱いている理想が、そのまま間違っていることを意味しているわけでもない。
ただ他の国家たちはそうしないというだけ。


北朝鮮の融和の為にはアメリカとの関係悪化だって辞さない、という韓国が今見せている振る舞いは、まぁその意味では正しくチキンゲーム的に私たち外野に向けた『覚悟』表明の一種だと言うことはできるかもしれない。
そうしてでも実現したいたい目的があり、つまりそれはどうにかして現状を打破したい韓国、という構図の証左でもある。




国際関係論の基本でもある世界を「現状維持勢力」と「現状打破勢力」という視点において、韓国というのは前政権以前からも既にその傾向を見せてきたものの、文在寅政権になって以来更に明確に後者に位置するようになった、というお話なのだと思います。
――まぁ歴史を見れば一目瞭然であるように、世界に混沌を生むのはいつだってそうした現状を打破しようとするプレイヤーたちでもあるんですけど。
その意味で言えば、レッドチーム云々ではないものの、やっぱり韓国は私たち日本とは違う所に行ってしまった、というのはまぁ間違いないかなあ。


自主独立を目指す韓国の現状打破主義について。
みなさんはいかがお考えでしょうか?