子供になんだかんだと聞かれたら

答えてあげるが大人の努め。




突然の一斉休校、大人たちは説明して 中学生が署名提出 [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
うーん、まぁ、そうねぇ。
学校に通っている当事者である子供がそう思うこと自体は別に不思議じゃないよね。僕はきっと署名どころか「ウェーイ!」って喜ぶ側の子供だったと思いますけど。

どうか、全小中学生が納得できるような、心にぽっかり空いた穴を埋めてくれる説明を求めます――。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、突然決まった一斉休校をめぐり、大阪市の中学生がそんな要望を掲げ、署名活動に取り組んだ。今月2日、生徒93人の名簿を市教育委員会に届けた。

突然の一斉休校、大人たちは説明して 中学生が署名提出 [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

疑問を持つこと自体はまったく悪くはないんですが、何で署名までする必要があるのかちょっとよく解らないというか。


それこそ教師あるいは学校側が、家庭の大人が、そうでなくても周りの大人たちが一言それを説明したら話は終わりじゃないの? っていう疑問は沸くよね。
別にこれを取材した朝日新聞さんがそれをしたっていいし。
需要あるみたいだし、あの時みたいに『コロナがくる』なんて表紙で全ページ使って――とまでは言いませんけど記事が特集すればいいんじゃないかな。


その意味で言えばこのお話って、もちろん超広義には「安倍さんの」不作為ではあるんだけど、ただただ周囲の大人たちの致命的な不作為という単純なお話じゃないのかと。
いやまぁ、ただただ子供を利用して政治的アピールをした~~~~い!!! というよくあるお話だったのなら、うん、まぁ、マジレスしちゃってゴメン……と言及したこちらの方が謝罪するしかありませんけど。





ということで休校に至った基本的な構図の説明としては簡単ですよね。
パンデミックなど大規模な感染拡大を『予防』する為に、事前に社会的隔離を行う」
最初にも書きましたけど、何でこの一言の説明を聞く為だけに署名までする必要があるのか。
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省
ほとんどそのままズバリお疑問と回答が、厚生労働省のサイトにだってかいてあるわけだし。これ以上の説明はほとんどないよね。



もちろんここから一歩進んで、この対策の実効性への疑問を持つことは悪いことじゃないでしょう。
そうした『隔離』は大人も子供もおねーさんも、誰にとっても「なるべく」やるべきではないのは間違いないから。
ということで、その疑問は大筋で二つになると思います。

  • 「一斉休校に予防効果はあるのか?」
  • 「やらなければいけない状況なのか?」


前者への回答としては、
Characterizing the Epidemiology of the 2009 Influenza A/H1N1 Pandemic in Mexico
Public health interventions and epidemic intensity during the 1918 influenza pandemic | PNAS
例えば似た感染経路を持つと推測されているインフルエンザの感染拡大防止を扱った論文なんかでは、感染拡大に休校は割と「効果がある」と判定されているわけで。
この辺は例え安倍さんのいつも通り議事録がないらしい説明不足であっても「科学的な」予防効果としては違いがないわけでしょう。
――いやまぁ個人的には「安倍さんはそこまで考えているの?」と聞かれたときに、首相の人そこまで考えてないと思うよ派には与してしまうかもしれませんけど。


そしてもう一方の「緊急度」については、うん、まぁ、割と日本社会の平均的意見として十分ヤバいと思われているのは間違いないんじゃないかな。
新型コロナ、対策不十分な国「非常に多数」 WHOが警鐘 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
そしてもちろん我らが敬愛するWHOのご意見としても。
公式にパンデミック宣言がなされないことについて批判はあるものの、それだってそもそもヤバくなる前の早期対応が重要だって上記論文でも指摘されているわけだし。



ワンクッション挟んだ『人災』のようにも見えてしまうのが、このお話がこじれてしまう原因なのかなあ。
個人的には大震災で卒業式が出来なかった当時の人たちと構図としては変わりないとは思ってますけど。
ひたすら不運なことに、今年もそうなってしまっただけ。
なのでやっぱり「どうして」と疑問に持ってしまうこと自体はまったく不思議ではないよね。




素朴な疑問を持った子供たちの周りに、良識ある大人たちが居る社会でありますように。