身内の論理を優先させたい人たち

それぞれの属性ハンマーを持っている私たち。




自民、国産魚介類の商品券検討 バランス欠くと異論も | 共同通信
ということでコロナ対策の議論が進んでいるそうですけども、まぁ断片的ニュースが錯綜して愉快なことになっているそうで。

 自民党水産部会は26日の会合で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた水産分野の経済対策として、国産魚介類を対象とした商品券を発行する案を示した。外食の自粛で高級品を中心に落ち込んでいる需要の喚起が狙いで、自民党から政府への経済対策の提言に反映するよう調整を進める。

 自民党農林部会も同日、国産牛肉を対象とした「お肉券」を発行する案をまとめた。ただ、対象品目を限定した商品券は異例で、コロナの影響を受けている他の品目とのバランスを欠くなどの異論も出そうだ。今後、政府、与党内での調整が難航する可能性がある。

自民、国産魚介類の商品券検討 バランス欠くと異論も | 共同通信

おにくけん!
おさかなけん!
……うーん、まぁ、そうねえ。
さかなさかなさかな~さかな~を~たべ~ると~、
頭がよくなるらしいので彼らがその券使って自分でたべればいいんじゃないかな。





とまぁバカになっても仕方ないのでマジレス日記をすると、ぶっちゃけ彼らがこうした奇行に走ること自体は不思議ではないわけでしょう。
だって彼らの所属する組織がそれを完璧に物語っているのだし。
自民党農林部会に自民党水産部会。
それぞれの属性のハンマーを持つ人は、目に映る問題はみーんな釘に見えてしまうのだ。
そりゃ、その組織に属している彼らが、彼らの身内の論理に則って、彼ら自身の為に議論したら、こういう結論が出るのは当然だよね。
むしろそれ以外の結論が出たらそもそもその部会に存在価値はない。


ということで彼らに「もし決定権があったら」こうなる可能性が高いというだけで、まぁおそらくはそのあまりにもあからさまな身内の論理はさすがに通用しないだろうと安堵する所ではあるんですよね。
あまりにも面白可笑しいニュースなので話題になってしまう構図というのも理解できますけども。
身内論理な政治が横行すると、こうなりかねないという反面教師な題材としては解りやすいニュースではあります。


実際、こうした一部身内の論理が優先される政治状況というのは、21世紀の現代世界でもちらほら見られる宗教政治のソレと基本的には変わらないんですよね。
コロナでも神への信仰こそ優先されるである!
コロナでも我々の利益こそ優先されるべきである!
どちらも世俗で要請される論理よりも、自分たちのドグマが優先されると素朴に考えているだけだから。
しばしば、そうした身内の論理の優先は、平時ならともかく緊急時にはそれ以外の大多数にとって致命的不利益になってしまうから。





ところがぎっちょん、そうした神権政治な人たちを笑っていたはずが、本当に「決定権がありそう」な財務省による身内の論理が、財政均衡こそ至上命題にしている彼らが、できるだけお金を出したくないとそんな斜め上のアクロバティックを――消費税増税などの実績から――マジでやっちゃいそうなのが現代日本社会、という笑えないお話ではあるんですけど。


その意味でいうと、むしろマジでおにくけんやおさかなけんでバラマキしてくれる可能性がある方がマシだったという見方はできてしまうんですよね。
少なくとも彼らは自分自身の利益の為にもバラマいてくれそうだから。
こうした財務省「以外」の人たちの影響力がもっとあったらまだマシだったのにね。


しかし悲しいかな安倍政権はそうではない。
やっぱアベはやめろ!
――だったらまだマシで、民主党政権交代したあの時ですらそうではなかったという不都合な真実が、今の日本の政治状況でもあったりするんですけど。






私たちは「おさかなけん」や「おにくけん」がマジで実施されそうにないことに安堵すべきか、
それよりも明らかに影響力のありそうな人たちによる財政均衡の方にマジで配慮されそうな現状に恐怖すべきか。


みなさんはいかがお考えでしょうか?