恋はオールマイティ?(政治的な意味で)

ユーミンじゃなく昔なにかの少女漫画で見たセリフなので、覚えている奇特な人がいたら是非教えてください。



芸能人の政治発言、今もタブー? ファン意見割れ削除も:朝日新聞デジタル
「検察庁法改正案に抗議します」500万ツイートを集めた「最初の1ツイート」はどのように広まったか?(1/3) | ねとらぼ調査隊
「#検察庁法改正案に抗議します」声上げた著名人たち ミュージシャンから俳優、漫画家まで: J-CAST ニュース
ということで何だか大炎上になっているそうで。
前回日記でも「叩けばいくらでもお金出てくる壊れた貯金箱なんだから、もっと政府ぶっを叩こうぜ!」的なことは言いましたけども、まさかこんな斜め上の叩き方になるとは予想外。
いやあ検察の定年延長でここまでバズるとは思わないよね。
え、叩くところそこなの? 感。
各国政治あるいは民主主義政治としても『検察』の扱いってわりとどこでもセンシティブなので殊更日本に限ったお話でもないし。
――なので浅学な僕には他国のそれと比較して日本がどうこうなどとまったく正確な事は言えないのでお口チャックしておきます。


個人的には(別に嫌味ではなく)さすがみんなコロナでヒマなんだなあというのがバズった理由としては一番大きいとは思ってますけど。
――逆説的に、普段からこれくらいの労働量であればもっと人びとは政治的になる=アベ政権打倒な機運は盛り上がるのかもしれないね。それが私たちの生活スタイルひいては民主主義政治にとって良いことなのか悪いことなのかはわかりませんけど。
上記にもある通り、ぶっちゃけみんなその中身自体には興味なくて、ただただタイミングの悪さというのが第一要因として批判されている構図。
まぁその批判自体は素直に理解できます。
これまでもそうだったように「多少の(ここ重要)」瑕疵だったら見逃されていたものの、しかし私たち国民に広く一般世論としてあると思われる「我々が身を切っているのに」という現在進行形の思いをテコにして。

同じく俳優や女優からは、西郷輝彦さん、井浦新さん、浅野忠信さん、秋元才加さんもツイートを行った。

あたしンち」で知られるけらえいこさんや、江口寿史さん、島崎譲さん、しりあがり寿さん、羽海野チカさん、ゆうきまさみさんら漫画家も声を上げた。声優からは、緒方恵美さんや森久保祥太郎さんが。そのほか、歌人俵万智さんなど幅広い業界から声が上がった。

「#検察庁法改正案に抗議します」声上げた著名人たち ミュージシャンから俳優、漫画家まで: J-CAST ニュース

ともあれ、トレンド自体の是非はともかくとして、かなり広く拡散されたことで(こちらもおそらくヒマを持て余しているだろう)作者や声優や制作陣など、私たちオタクの界隈にも無関係ではない光景として広まってしまっているのが、今回の件ですごく面白いと思う部分なんですよね。
個人的にはそうした『中の人たち』の政治的反応を期せずして見せられた人たちは一体どのような反応をするのか。
――もちろん今回の「検察庁法改正案に抗議します」に限らず、所謂愛国主義的な発言としても以前から言われていた構図ではありますけど。
ここで真のファンかどうか、あるいは本当に全身全霊を掛けたファンかどうかが試されてしまうんじゃないか、なんて。


大好きな推しの作家や役者や芸能人たちが自分とは違う政治思想を持っていたと詳らかにされてしまったとき、多くのヲタクな私たちは一体どのように振る舞うのでしょうね?
「こんなのワタシの好きな〇〇ぢゃない!」なんて身勝手な直接の突撃はまぁ論外として。
全身全霊を掛けて応援しているのだから、そうした政治思想にも同調してしまうのか。
同じ物を使ったり好きになったりするのはオタクの基本だもんね。


それとも「それはそれこれはこれ」と(普段の一見全身全霊を掛けたオールインな態度とは裏腹に)思わず素に戻って大人な対応を見せてしまうのか。
あるいはこちらも昔から複雑なファン心理の一つとして言われているように中の人が透けて見えてしまうとそれだけで冷めてしまうのか。
『作品』とその作者は、あるいは『フィクションのキャラクター』の作者や中の人は別だろうと、至極真っ当なマジレスされてしまう可能性もかなり高いんですけど
真顔でなんてこというのオタクちゃんたち。




ただまぁ、最後に個人的なマジレス日記をすると、こうして流れのカウンターなのか「#〇〇に抗議します」がトレンドに既に見られるようになっているように――『ポリコレ』騒乱なんかを見ても明らかですよね――現代政治社会とは同じ棍棒を使ったカウンター合戦こそがトレンドでもあるわけで。
相手が使ってきた棍棒を逆に利用して敵対()勢力の足を掬ってやる!!!1 なんて。
だからぶっちゃけコレって(こちらは真似するべきじゃない)韓国の国民嘆願の不毛さっぽくて個人的にはあんまり賛成できないんですよねえ。
ネットで元気に活動する左右のアクティビストたちのオモチャにしかならないんじゃないかと。これを成功体験にしてしまうとちょっと。
その不毛で醜い戦いに普通のノンポリな人びとたち、益々政治に距離を取るようになっていき、中間層が消えれば民主主義政治の安定性は失われる。



「中の人の政治的な志向が明らかになっても尚、恋(ファン心理)はオールマイティなのか?」
オタクなみなさんはいかがお考えでしょうか?