これが浪速のトランプや!

民主主義政治への不満が生み出した鬼子たち。



うがい薬 官房長官は検証注視 専門家「防御力落ちる可能性」 | 新型コロナウイルス | NHKニュース
ということで大盛り上がりしているイソジン騒動であります。
あの原発事故の時も取り上げられたし、イソジンは現代の霊薬かなにかなのかな?

また吉村知事は、記者団が、各地でうがい薬の買い占めが起きていることについて、4日の知事の発言が誤解を招いたのではないかなどと質問したのに対し、「予防効果があるとは、ひと言も言っていない。ぼくが感じたことをしゃべり、『それは間違いだ』と言われたら、ぼく自身、言いたいことが言えなくなる」と述べました。

うがい薬 官房長官は検証注視 専門家「防御力落ちる可能性」 | 新型コロナウイルス | NHKニュース

まぁ割と初期から何を言っとんねん扱いをされていた通りの展開にはなりましたよね。その言い訳というか弁明というか居直りが「言いたいことが言えなくなる」というポイズン所まではさすがに予想できませんでしたけど。


とまれ、でもまぁこうした吉村さんの政治家としての態度がそこまでユニークかというと、悲しいかな現代政治家のトレンドとしてはまぁ結構あるあるな構図でもあるわけでしょう。
CNN.co.jp : レバノン首都で爆発 トランプ氏は「攻撃」を示唆、国防当局者は否定
それこそ、とりあえず「素早く」適当なことを言うのがトランプ流でもあるわけで。
吉村さんのイソジン発言もそれを見習っただけ、という言い方はできなくもない。
上記CNNのタイトルを見習うならば、

「コロナ対策に光明 吉村氏は「イソジンが効く」を示唆、医師会は否定」

という感じになることを考えるとまぁやっぱり浪速のトランプだったんだなあと生暖かい気持ちに。

ただまぁ、上記トランプさんや吉村さんがそれでも一定以上の支持があるように、こうした人たちが有権者たちに受け入れられているという構図自体は理解できてしまうんですよね。
――民主主義社会に生きるほとんど全ての私たち有権者が抱いているであろう「遅々として進まない政治」へのアンチテーゼとして。
今の日本政府の対応を見ていれば嫌でも解るように、一歩進むごとに半歩――どころか四分の三歩下がっているようにしか見えない。しかしこれは民主主義政治が支払うべき代価でもあるわけでしょう。
あまりにも簡単に物事に口を出してしまう政治家たちは、何も悪意を以てそんなイソジン発言をしてるんじゃないんですよね。
エビデンスとか検証とかそんなもん我々には知ったこっちゃない!」
「さっさと明確な答えを言ってくれないと困るんだよ!!1」
ただただ、一部の私たち有権者の素朴な不満と願いに率直に応えているだけ。



ついでに、吉村さんにとってここで成功していれば二重の意味で美味しかったのは、同時に――こちらも同じく真面目にやればやるほどすぐに成果は出ない――コロナ対策を未だに明言できない科学的手法への反逆のカリスマでもあるわけで。
この期に及んでも「はぁ??? イソジンは効かね~よ、バーカ!」ではなくて、

  • 厚労省「国として推奨する段階ではない」
  • 医師会「エビデンスが不足している」
  • 政府分科会 尾身会長「検証してから判断したい」

と言葉を選び慎重を期してしまう、真っ当な官僚や医師たち。


本当に皮肉なことに、こうした真っ当な政治家や専門家の誠実さによる『進まない政治』と『簡単には明言できない答え』こそが、それとは真逆の手法である「とりあえず言ってみる」という専門家軽視でポピュリストな政治家たちが支持される土壌を作ることになる。
良貨が多ければ多い程悪化が蔓延る土壌を生む。うーん、詰んでる。
いやあ民主主義や科学的手法ってほんとクソだよね!


浪速のトランプである吉村さんのイソジン発言について。


みなさんはいかがお考えでしょうか?