GAFAというevilたちのツケを払う人たち

こうどなじょうほうせん。


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ということで政治対立が盛り上がる中で、必然的にその余波が直撃する中国企業たちの悲哀というか自業自得というか。
しっかし対ヨーロッパでも少なからず似た構図が見られる辺り、結局「先ず国家ありき」であり、21世紀の世界はゼネラルリソースvsニューコムのような企業間冷戦のような世界にならなかったんだなあと少し悲しい気持ちに。
いつか挟まってしまう人も出てくると期待していたのに、いや現実には企業たちが国家の間に挟まりまくっているので一面では正しいかもしれないね。ガハハ!

ただし、中国IT企業のこのような「両面性」は中国国内から非難されている。そして、中国企業の本質が変わらない限り、アメリカからも信頼は得られない。最も根本的な問題は共産党の指導に基づく「中国の特色ある社会主義」体制だろう。中国憲法は「社会主義制度を破壊する全ての組織と個人を禁止する」と強調。全ての中国企業が官民問わず党組織を設立し、党の活動を展開することも定められている。テンセントやTikTokを運営するバイトダンスにも、もちろん党委員会がある。

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しかし12年に習近平がトップの座に就くと、私営企業に対して「党建設が全てを覆う」規定を強制。14年までに、全国297万私営企業の半分で党組織が設立された。外資企業も例外ではない。

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ともあれ、まぁ少なからず中国という国家からの影響から逃れられない企業たちの悲哀ではありますよね。
もちろん彼らは普段それっぽいことを言っているものの、しかし「いざ」というときには必ず中国政府の要請に従うだろうという確信に近い見方が我々には存在している。
仕方ないよね。だって中国だもん。
アメリカやヨーロッパは今更ながらにそうした中国的振る舞いに驚いてみせているものの、長年隣近所付き合いを続けてきた我々日本からすると、諦観に近い――故にそれが『偏見』となることもしばしばある――中国観でもある。



――ただ、ここでクッソ皮肉で故にクッソ面白い構図だと思うのは、そもそもそうした「企業は政府の要請に逆らえないだろう」という大前提を私たちにここまで一般化させているのって、何もそうした中国企業だけの振る舞いそれ自体では絶対になくて、むしろGAFAを中心にしたアメリカ側の企業たちの「これまでの」振る舞いこそが我々にそうした思いを定着させてきたわけでしょう。
つまるところ、『evil』にはならないと誓っていたグーグルをはじめとするITで我々の個人情報を扱う彼らは、アメリカ政府が要請したら、あるいは進出先の中国政府から要請されれば唯々諾々と従うだろう、と。
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実際に、彼らがそうしてきたように、テンセントも、バイトダンスも、ZTEも、ファーウェイもそうするだろう。
先駆者であるアメリカ企業たちの振る舞いを前提に、お前らもそうするだろうという確信を抱かれてしまっている中国企業たち。
いやまぁやっぱり「中国なら尚更」という見方も概ね間違っていないとは思いますけど。




アメリカ――どころか世界を代表するようなグローバルな超企業がああした振る舞いをするということは、つまり、中国共産党委員会を内部に持つ、持たざるを得ない共産党印な彼らがすることも……。
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現在世界中で始まるようになった、「国家の言いなりになるのだろう」という反・中国企業なトレンドは、皮肉にもGAFAを中心としたアメリカの大企業がしでかしてきた前科を前提によって加速している。


アメリカ出身の先駆者たちが長年かけて育んできた『IT企業への不信感』という流れをモロに食らうことになった中国企業たち。
もう少し清廉潔白であったら、今の流れはもう少しはマシだったかもしれないのにね。
しかし、彼らがまさにevilな振る舞いを見せつけたことによって、中国企業への不信感はスタート地点からそもそも不利な状況に置かれることになった。


アメリカ企業の悪行のツケを支払わされることになっている中国企業たち。
更には相対的に、そうしたアメリカ企業たちがマトモに見えてしまう構図も生まれていて、やっぱり皮肉で面白い構図だよねえ。




みなさんはいかがお考えでしょうか?