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「共産主義が民族憎悪を乗り越えられないのなら、みんな収容所に入れるしかないじゃない! ウイグルも、モンゴルも……」

誰ですか「21世紀の現代世界においては、領土問題は固定化されている(故にタカ派政治家たちに煽られる)」とかノーテンキなこと言ってたの(8年ぶり2回目*1







アルメニアとアゼルバイジャン、係争地で軍戦闘 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
戦闘の死者23人に アルメニアとアゼルバイジャン:時事ドットコム
ということでアルメニアアゼルバイジャンの紛争がついに全面戦争一歩手前まで進んでしまったそうで。
……は~、冒頭の通り心理歴史学者としてまた失敗してしまった。

【9月27日 AFP】旧ソ連アルメニアアゼルバイジャンの係争地であるナゴルノカラバフ(Nagorny Karabakh)で27日、両国軍の戦闘が発生し、アルメニア軍はアゼルバイジャン軍のヘリコプター2機を撃墜した。アルメニア軍は、アゼルバイジャン軍が先に爆撃を行ったと主張している。

 アゼルバイジャンアルメニアは、ナゴルノカラバフの帰属をめぐって数十年にわたり紛争状態にある。2016年以降で最悪の今回の衝突により、両国間で大規模な紛争が再燃する恐れが高まっている。

アルメニアとアゼルバイジャン、係争地で軍戦闘 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News

おそらくは、今アメリカがトランプ大統領であることや、そして米中の対立によって国連の安全保障理事会が事実上機能不全になりつつあることも無関係ではない。
更にはそれぞれの同盟関係にあるロシアやトルコの思惑もあって、ここはもうずっと火薬庫なんですよねえ。
第一次大戦……、頭が……。




ともあれ本題。
まぁこのアルメニアアゼルバイジャンについては、当日記でも「旧ソ連は民族問題を解決できなかった」という文脈で何度か書いてきたお話ではあるんですよね。
「ソ連人」たちと「ヨーロッパ人」たちが同じように見た華胥の夢 - maukitiの日記
プーチン「レーニンのばか!」 - maukitiの日記
またソ連時代の置き土産な時限爆弾の導火線に火が - maukitiの日記
「民族平等」の名の下に共産主義においては解決したと思考管理されていたものの、しかしソ連崩壊後には思考管理も解け反動でより盛り上がってしまう民族問題について。
あれから30年経っても、その杜撰に引かれた国境線にこだわり続けている人びと。まぁ竹島北方領土など、本邦の私たちも一緒か。
いやあ民族問題や領土問題っておっそろしいよねえ。




中国、新疆で1万6000のモスクを破壊 豪シンクタンク 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News
こうした旧ソ連領域での現在進行形のゴタゴタを見ると、こちらも同じく日記ネタにしてきた現代中国の成功を生んだ「旧ソ連の失敗に学んだ中国共産党」という視点からすると、つまり民族問題を解決するには強制収容所などを使ってでも徹底的に弾圧するしかない、という解答に辿り着いてしまう彼らの理路はちょっと理解できてしまうんですよね。

【9月26日 AFP】中国当局新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で取り壊したモスク(イスラム礼拝所)は約1万6000に上っている。オーストラリアのシンクタンクが25日、新疆で広範囲に行われている人権侵害についての最新の報告書で発表した。

 豪シンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)」は、人工衛星が撮影した新疆のモスクの画像と統計モデリングを基にした報告書を発表。同報告書によると、これまでに取り壊されたか損傷を受けたモスクは約1万6000に及んでいる。

中国、新疆で1万6000のモスクを破壊 豪シンクタンク 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News

最近の日本でも「何で(名実ともに世界第二位という地位には間違いなく登りつめたのに)現代中国は、ウイグルやモンゴルであそこまで強引なことをやってしまうのか」という議論があったりしますけども、単純に中国政府の悪意云々というよりは、個人的にはそれって結局こういうことなんじゃないかと。
それこそイスラム勢力による死ぬほど厄介なゲリラ抵抗運動というのは、旧ソ連アフガニスタンからチェチェンまでそれはもう痛い目にあってきたわけだし。
中国政府は歴史から賢くも学ぼうとしている故に、ウイグルやモンゴルでああいう風に振る舞っている。
チェチェンやナゴルノカラバフにならないように、今から「先に潰す」ことをやっているだけ。




もし旧ソ連コーカサスでの失敗を繰り返したくないと考えているのならば、民族問題は時間が解決するという旧ソ連やヨーロッパが抱いた幻想は捨てるべきである。
――つまり、ウイグルやモンゴルやチベットで中国がやるべきことといえば……。
「我々もああなりたくなければ、今、やるしかない」
そんな中国の悲壮で非道な覚悟の正しさが、こうしてまた証明されつつある。


世界が平和でありますように。