現代日本社会におけるマリーアントワネット的寓話

彼女のように敵対陣営から歴史的発言を捏造されるするまでもないとかすごい。




ということで、個人的にも菅さん早速コレはやっちゃいましたなあと思っていたんですが、安倍政権時代から繰り返されてきた「いつもの面子によるいつもの劇場」化してしまったことで、これまでの諸問題と同様に徐々に日常風景として溶け込んでいきそうだなあと生暖かく見守るつもりではありました。
「総理は多様性を認め、政策に生かして」 日本学術会議・大西隆元会長が本紙に寄稿:東京新聞 TOKYO Web
学者の静岡県知事、菅総理を痛烈に批判「教養レベルが露見した」 日本学術会議問題で(静岡朝日テレビ) - Yahoo!ニュース
ところが色々と面白いお話が出てきているそうで。
いやあミクロな個人間で起きる他人のケンカにはあまり興味はわきませんけども、こうして一見マトモなマクロの組織間として起きる「争いは、同じレベルの者同士でしか発生しない!!」的愉快なイベントが発生すると、個人的にはいいぞもっとやれとかなりwktkしてきてしまいます。

 微細なプラスチック片が分解されずに海に滞留し、摂取した魚、さらに人に害を及ぼすから、プラスチックの利用を大幅に削減しようというキャンペーンが、レジバッグ有料化やマイバッグ携帯につながった。このきっかけの1つは学術会議が海外の学術会議と手を携えて行った提唱であった。

「総理は多様性を認め、政策に生かして」 日本学術会議・大西隆元会長が本紙に寄稿:東京新聞 TOKYO Web

 日本学術会議が推薦した会員候補の任命を菅総理が拒否した問題で、静岡県川勝平太知事が菅総理を厳しく批判しました。川勝知事は「菅義偉という人物の教養のレベルが図らずも露見した」指摘しています。

学者の静岡県知事、菅総理を痛烈に批判「教養レベルが露見した」 日本学術会議問題で(静岡朝日テレビ) - Yahoo!ニュース

反対派としては「学問の自由を守れ!」という正論で現状を一点突破するはずが、これまで人目に触れられることの少なかった日本学術会議――にとどまらず学会や大学人たちの諸問題が表出する(させられる)ことによって、われわれ『民意』の出る幕となってしまいその介入の不当さが有耶無耶にされつつあると。
風が吹く - maukitiの日記
安倍政権退陣の日記や、afurikamaimaiさんとのやり取りで安倍政権後にはポピュリズムがやってくるだろうと書きましたけども、いきなりこんな面白いことになるとは予想外でした。展開早いな。

学術会議問題:迷惑な学者の「正義」の押し売り ? 衛藤 幹子 アゴラ
何が「正しく」「知性があり」「教養ある」のかは、我々が決める、なんて。身内間でそうした(まさに同じレベルで)内輪争いをしているならともかく、それが一般社会にまで出てきてしまったら……。
それを学者サマではないひとびとたちが聞いたら一体どうおもうんでしょうねえ。
もちろん『空気を読まずに』正しいことを言うのが、そもそも学者の仕事だと擁護することもできるでしょう。
大切なのは多数意見ではなく、科学的知見や過去の研究の積み重ねでもあるのだから。


でもこれまで散々「民意を知らしめるのだ!」と煽られてきた民主主義を愛する私たちにそんな正論を今更言っても通じるかなあ~???
ぼくはむりだとおもうよ。
――皮肉にも左右から「もっと政治に目覚めよ!」と有権者たちを煽ってきた結果が、こうした『学問の自由』に介入することがポピュリズムな世論として正当化されかねない構図を生んだんじゃないかと。
任命拒否という横暴に抵抗しようとする人たちの思惑通りに菅政権の行為は「政治問題化」しつつあるものの、しかし、皮肉にも、まさにそれ故に、今回の件は世論として許容されつつある。
一部の冷静な弁護士さんたちが当初から言っていたように、粛々と法律問題にしておけばよかったのにね。



より一層炎上させようと政治ニュースにしようとした結果として、意図せぬ形で「世間から乖離したマリーアントワネットな発言に噴き上がる庶民たち」な構図が生まれつつあるのはホント面白いお話だと思います。
いや、まったく笑えないというとまぁその通りなんですけど。
何もかも貧乏がわるいんや。


私たちは、そんな愚かだという理由だけでこれまで崇め奉ってきた『世論』を無視することができるだろうか? 
これまで散々『民意』という万能の棍棒を振りかざせと煽ってきたのに?


がんばれ日本社会。